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「A!!大丈夫か!!!」

りゅうさんや、だざいさんよりも大きな声でまたもや誰か乗り込んで来たようで、思わずびくりと肩が跳ねた。

今度はどんな人なのだろうと、思って振り向こうとしたら、サッとりゅうさんに目を隠された。

「一寸中也!君何て格好で来てるんだい!」

「しゃあねえだろ!芥川からあんな電子文書来たら死ぬ気で片付けて来たわ!!その分何時もより雑になったけどよ」

「だからって何でそんな夥しい返り血浴びたまま此処に来る訳!?っていうかよく来れたね!?
あのねえ、Aは今子供だし中身まで退行してるんだよ!そんな姿見たら怯えるだろう!!」

「……中也さん、渡瀬は今は幼子です。泣かれても面倒になります故、御手数ですが、着替えて頂けると有難い」

「お、おう…悪ィ、着替えてくりゃ善かったな。A、一寸脱衣所借りるぞ」

ぱたぱたと、ちゅうやさんの足音らしきものが遠くなるのを感じて、それを見計らったように、りゅうさんの手は目から離された。

「芥川君ファインプレー。元のAなら兎も角、流石にこの姿のAじゃあ、あの中也には怯えちゃうだろうからね」

「恐縮です。真逆此処まで速いとは思ってもいませんでした。確かに彼処までの返り血を浴びた分だと、幾分か中也さんにしては雑だったのかと」

……会話の感じから察すると、どうもおれにはお見せできない姿だったらしい。
この人たち、実は本当に誘拐犯だったりするんじゃ…と思いかけたけれど、会話のふしぶしに、どうもおれを心配する何かを感じとるため、いまいちそうとも思えなかった。

「はー、やれやれ。まあでも癪だけど中也がいるなら心強いからね。色々マフィアでも手を回して貰えるだろう。
此れがAだけの話じゃなくて、マフィアでも同様の話なら森さんの耳には届くだろうし。」

「先程樋口の方に連絡したら、どうも若返る、といっても人によっては違う様です。
赤ん坊だったり、ほんの数年前程度の姿だったりと」

「個人差があるって事かい?う〜〜ん……」

ジッとだざいさんとりゅうさんがおれを見下ろす。
二人とも凄くイケメンだから、なんか迫力があるから縮こまってしまう。

「嗚呼御免ね。怖かったね」

よしよしと優しい手つきで撫でて来るだざいさんは、本当に嬉しそうに俺を見ていた。
何でそんな顔をするのだろう。俺の未来の友達って、何だろう。
聞きたいことはたくさんあるのに、そんな顔をされては、何も云えなくなってしまった。

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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