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・中也視点

とうとうこの人、少年趣味にまで…

俺のそういった視線に気付いたのか、慌てた様子で首を振る首領。

「中也君!?違う、違うからね!?この服は寧ろ紅葉君が何故か張り切って購って来たものだよ!!」

「姐さんが…?」

「彼女、小さくて可愛いものを愛でるだろう?A君が小さくなったと君から聞いて、あの後直ぐに洋服を購いに行ったんだよ」

……姐さんはどうやらあの日、Aと首領が久し振りの再会を果たした時に、どうやら首領の部屋の物陰に隠れて、俺達との会話を聞いていた、というのは後から聞いた話だった。
首領に堂々とした意見を告げる姿に、姐さんも姐さんで強烈な印象が残っていたらしく、「一度私も、あの小僧と話してみたいものよの」と呟いていたのは記憶に新しい。

そして思わぬ形でその機会がやって来た訳だが、興奮していたらしい姐さんは洋服を購うだけ購って、姐さんは任務の時間になったらしく今は不在との事だ。

「鏡花ちゃんの事も物凄く可愛がっていたのを思い出すね。紅葉君、あの子には滅法甘いから」

「……鏡花の分と云わんばかりですね、この服の量は」

大量に服が買い込んである。
正に幹部と云わんばかりの注ぎ込みようだ。子供や小さいもの、可愛いものに目が無い紅葉姐さんにとって、俺の友達が小さくなったとなれば、まあ、こうなるんだろうか。
俺も昔は姐さんに散々可愛がられていた事を思い出して、思わず苦笑した。

「わぁ〜〜!紅葉善いセンスしてるじゃない!A、これ着てみて!絶対似合うわ!」

「待ってエリスちゃん!A君には此れも似合うと思うけどどう!?」

「リンタロウキモい。私が連れて来たのよ。私からにさせて」

「酷いよエリスちゃん!」

状況に置いてけぼりなAが、助けを求める様に俺に視線を送るが、このお二人はこうなった以上、暫くは付き合わないと落ち着かない。
すまん…とアイコンタクトを送れば、その後直ぐにあれよあれよとAはエリス嬢に別室に連れて行かれた。


「え、エリス!おれ自分できがえられる!」

「駄目よ!此れ無駄に装飾品多いから分からないと思うわ、はーい、ばんざーい!」

「ち、ちゅうやさん、たすけてーーーーーッッ!!!!!!!!」

…………その別室から聞こえてくる悲鳴に、正直駆け付けに行きたいが、すまんA、上司の前では俺は無力だ。

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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