検索窓
今日:7 hit、昨日:16 hit、合計:587,947 hit

50 ページ4

・太宰視点

結局、不発弾に触りたくて織田作にへばり付いて粘っても、織田作は最後まで触らせてはくれず、其の儘不発弾は処理されてしまった。
あーあ。上手いことあの不発弾が爆発してくれてたら、今度こそ私は死ねたかもしれないのに。

そうだ。そう云えば今日織田作にAを紹介しようと思っていたのだ。
処理をし終えて私の所へ戻ってきた織田作に、何時予定が空いているのかと聞けば、「明日にでも」と返ってくる。

「明日か。うん、それなら私も漸く空きそうかな」

「何だ、また飲みに行くのか?」

「ううん、ほら、前云っただろう?A紹介するって」

「件の子か。料理上手な」

「そうそう。織田作も私も予定空きそうだし、Aに聞いてみようかなって」

プライベート用にもう一台所持している携帯を取り出して、Aの連絡先に繋げる。
3コールくらい鳴った後くらいに、矢鱈と疲れ果てたAの声が聴こえてきた。

『はい…もしもし…』

「えっ、A声どうしたの、凄く疲れてるみたいだけど」

『否、ついさっき横浜ハプニングに知らぬ間に身を投じて全力で逃げて来たところだから気にしなくていいよ』

「一寸待って!?何事!?深刻そうなら今から私が…!」

何か危険な事に巻き込まれたのかと焦るが、Aは逃げて来たしもう家にいるから大丈夫との事だった。

『で?太宰どうしたんだ』

「……本当に大丈夫なのかい?いや、前云っていた私の友人を明日君が大丈夫そうなら紹介したいと思っていたのだけれど…本当に大丈夫かい?今から行っても善いのだよ」

『善いよ善いよ。むしろ来てよ、最近来れてなかっただろ』

疲れている様子ではあるものの、私がそう告げたら電話の向こうでAが笑ったのが分かる。
割と余裕そうであるので、多分、大丈夫ではあるのだろうか。

「材料とかはこっちが購ってくるから気にしなくて善いよ。友人にね、作ってあげて欲しいんだ」

『成る程ね。まあ其れくらいなら幾らでも。学校終わった後になるから夕方以降になるけど、いいか?』

「大丈夫だよ。来るときまた連絡するね」

其処で連絡は途切れる。
…一寸目を離したらマフィアホイホイだったり、そして何やら危ない事に巻き込まれていたようだ。
だからなるべく彼の家に行くようにしていたのに、最近来れていなかっただけで此れは…

「良くも悪くも目が離せないなあ」

「また何かあったのか、其の少年は」

色々と察したらしい織田作に、ポンと肩を叩かれた。

51→←49



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (540 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
853人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 勿論不快にさせた事実は変わりませんが、改めまして女狐呼びは後日修正させていただきます。公式からの呼び名がもし出たらその際はまた変えるかもしれないです。今回はお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。 (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» 妲己、というのもよく考えたら失礼かなと思ったので追記を。前記の通りキャラを貶す意図はなく、クリスティ爵の残酷な面が垣間見える彼女の言葉一つで街を焼ける、といった権力の強さに狐であった妲己のようだ、といった自分の解釈もあります。→ (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 呼び方の方は後日修正させていただきます。コメントありがとうございました。 (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 誤解を招くようですが、クリスティ爵はとても好きです。映画で動いて声もついたのは本当にとても嬉しかったです。映画のイメージで「こう言う感じの方かな」と言ったイメージが先走ってしまって申し訳ありません。それと夢主持ち上げ、というよりはその辺の→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» といった意味で女狐呼びをさせていました。軽率にしてしまい申し訳ありません。情報が少ない方なので、私なりの解釈等も混ざってしまい、呼び方等に不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。決してキャラを貶すために使ったものではありませんでした。→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年11月13日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。