【銀魂】なみだドロップ

5 . 出会い ページ8

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『……あなたは一体どなたですか？』



虚ろな目を未だかつて仲間だったものに向けたまま、動かさず、答える。


すると間を開けずにすぐ、

「俺？俺の名前は神威」

陽気な声で、ほがらかに告げられたその名。


『神威さん、ですか。私の名前はAです』


礼儀としてこちらも名前を伝える。

傘は未だ私の上に差し出されたままだ。


『ところで神威さん、そのままだと濡れて…

そこまで言いかけた所で言葉を遮られる。


「ねぇ、君はここで何してるの？」


その言葉に私は少し俯きながら無言になる。

分からない、私だって。


しばしの間が開いた時、ふと、神威が言った。


「あり、もうここにもアイツ等が…全く。

下手に勝手な行動はするなとあれだけ


そこまで聞いてから今度は私が神威の言葉を遮った。

くるりと後ろを向き、思いっ切り威圧を込めた瞳を向ける。



『これやったの、あなたの仲間なの？

なんで私の仲間を奪ったの？

あなたなら、この事態を止められたかも知れなかったの？』


" アイツ等 "。

確かにそう言った。


という事は少なからず知り合い、そして

"あれだけ言った "という発言。


つまり最悪の場合この神威が私達の仲間に起こったこの最悪の事態を止められたかも知れないという事。


仲間を失い虚ろな瞳、今や思考があまり出来ない状態の私には、その少しの言動にすら、駆り立てられる何かがあった。

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