23何も知らない ページ24
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「手を合わせて」
「「いただきます!!」」
「・・・いただきます」
六つ子がガツガツ食べていくなか、Aは考え事をしていた。
「(つられて言ってみたけど、"いただきます"ってなんだろ・・・)」
知らないだけで、バカではないAは、とりあえず食べ物をいただきますという意味で言っているのだと自己完結させ、さっきみたジャムが塗られたパンを食べ始めた。
「おいしい」
「だろ?
世の中にはお前が食べたことないようなものばかりあるんだぜ」
がやがやしているこの場では、誰にも聞こえないくらいの小声で呟いたつもりだったが、隣の席にいたカラ松には聞こえていたようだ。
・・・カラ松はこちらを見ながら言っていたみたいだけど、Aはカラ松を見ずに「そうなんだ」とだけ答えた。
そんなツンとした、Aに苦笑したカラ松だったが、おそ松が話を始めそうだったから黙っておいた。
「昨日の家族会議で決めたんだけど、今日はデパートに行こうと思う!!」
「イエーイ!!」
「ヒューヒュー!」
おそ松の言葉に続き、十四松やトド松が盛り上げる。
ちまちまとパンを食べているAに気を使っているみたいだ。
「・・・A、いい?」
チョロ松が間を見て、Aにたずねる。
Aはパンを食べる手を止め、首をかしげる。
それを見た、六つ子たちもつられて首をかしげる。
「"デパート"ってなに」
赤目の死神は本当になにも知らないみたい。
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しゅーか - なんか似たような小説あるよね〜。 (2020年2月2日 16時) (レス) id: 769570c12c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅる | 作成日時:2016年4月29日 22時