44話 ページ48
いつの間にか周りには桜の花とどこから溢れているのか分からない水が周りを埋めつくしていた。
「ふふふ、そんなことがあったのですね」
『うん、そうなんだ。あの時は父さんもリクオも凄い顔してたんだ。』
時間がどれだけ進んだか分からないが昔の話を綺麗な女の人に話をする。その人は嫌がらずに話を聞いてくれた。それどころかもっと聞かせてほしいと言ってくれてずっと話をしていた。
「さて、貴方もそろそろ戻らなければならない時間ですよ。」
『え?戻る時間?』
ふわりと微笑み立ち上がる。その顔は少し寂しげだった。
「ええ、もう少しお話をしたいけど時間が来てしまったの。」
その言葉共に1本の道が出てくる。先の見えない道を指さし、戻りなさいと告げる。その先は少しだけ明るかった。
『お姉さんも一緒に行こうよ。』
あまりにも寂しそうな顔を見てしまった俺は口からそう出てきてしまった。そうすると少し驚いたような顔をしたがすぐ笑顔に戻り、
「ありがとう、でも私は行けないのよ。さぁ、早く行きなさい。」
と、背中を押された。その反動で足を踏み出す。後ろ髪ひかれる感覚があったがお姉さんの強い瞳に押され、1歩、1歩と踏み出した。何歩か歩いたところで聞き慣れた声に名前を呼ばれる。すると急激な眠気と共に意識がブツリと切れた。
「リキト、大きくなりましたね」
と呟き、懐かしそうに微笑んでいたのを俺は知らない。
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ゆりかめ(プロフ) - ウタさん» そう言っていただけて嬉しいです。すいません、諸事情により更新出来なかったです。もし見ていらしたら今後ともよろしくお願いします (2019年2月10日 11時) (レス) id: a0be7eaf10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかめ(プロフ) - 渚果さん» 読んでいただきありがとうございます。返事遅くなってほんとに申し訳ないです。そう言って頂けると嬉しいです。もし、まだ見ていらしたら今後ともよろしくお願いします (2019年2月10日 11時) (レス) id: a0be7eaf10 (このIDを非表示/違反報告)
ウタ - 本当に面白いです!だが、何故。何故ここで途絶えてしまった更新よ… (2018年10月8日 1時) (レス) id: 5d727cd1f1 (このIDを非表示/違反報告)
渚果 - 鯉伴大好き。リクオ愛してる。もう文章が頭ん中でアニメ化して悶絶してたよ← (2016年8月29日 20時) (レス) id: 604b4eb537 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかめ(プロフ) - コーヒー豆さん» ありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!頑張ります!これからも宜しくお願いします! (2016年8月12日 15時) (レス) id: 3c24bb2dd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりかめ | 作成日時:2015年4月25日 15時