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思い出(吉良との過去話) ページ10

「吉影さん」

朝焼けが窓から差し込む

「ン…おはよう」

夏の朝は静かだった
これから騒がしくなるのだろう

「…A朝ごはんたべるかい?」

優しくほほ笑みかけるその仕草は美しかった

「はい」

……

薄々気づいていた
利用されていること

私自身は愛されていないこと

あくまでも彼は私の「手首」を愛しているということ

ちゃんと目を見て話してくれたことはあっただろうか…

「テーブル拭いておきましたよ」

「ああ、ありがとう」

朝ごはんのいい香りが鼻腔をくすぐる
食器がぶつかる音が心地よかった

私は必要なのかな

「A? できたよ」

「ありがとうございます」

「いただきます」

吉良さんの手料理はとても美味しかった
勿体ない

私には

……

今日は休日だ
吉良さんは読書をしている

凛とした横顔は美しく見とれてしまうほど

「吉影さん」

「なんだね?」
栞を挟んで本を机に置いた

彼はもちろん私の「手首」へと話しかけている

「私は…必要なんですか」

「もちろん、私の能力なら跡形もなく証拠も全部消すことが出来る…だがね 君のように美しい手首は捨てるのには勿体ないんだ」

「そう…ですか」

分かっていることなのに悲しかった
居場所がない私に与えてくれたのは貴方なのに

★★

それから、何ヶ月もたった

彼は少しずつ私に目線を合わせるようになっていた

でも困ったことに、

「A?」

彼が、かっこよくて
私が目を合わせられないということ

「は い」

でも彼はそれを面白がってわざとやるようになったのだ

「A?この世界で1人だけだよ…私の秘密を知って生きていられる人間は 特別だということをわかっているのか?」

悪戯に笑う

「分かってますよ勿論」

いつの日か、私たちの関係は特別なものになっていた

生かされていたのが共存と

だが、彼は私に異様に執着するようになった

「君のような喋る彼女は初めてだよ」

恍惚とした表情で手に指を絡めてくる

複雑な気持ちだった
幸せな日常が崩れてしまわないか

彼は、今まで 愛されてきたのだろうか

そう思ってしまうほどに
歪んだ愛情だった


★★

いつからか、彼と一緒に寝るようになった

「ほんとのかぞくみたいですね」

「そうだね」

彼の表情も柔らかくなっているように感じた

じーっと彼を見つめていると
頭をぽんぽんっと撫でてきた

「猫扱いしないでください」

「ははは Aは猫じゃなかったのかい?」

他愛もない話をするこの時間が愛おしかった

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吉良碧 - (^q^)(^q^)(^q^)(^q^)(^q^) (2021年11月24日 10時) (レス) @page12 id: 4ac69e6db2 (このIDを非表示/違反報告)
吉良碧サブ - 蘇ったぞ!(思い出したパス)ふおおおおおおおおお (2020年4月26日 21時) (レス) id: c629cba33b (このIDを非表示/違反報告)
吉良碧 - 神奈さん» ありがとうございます!単純にパス忘れ…((無駄ァ 懲りずにみてくださると幸いです (2019年8月12日 17時) (レス) id: 6e4fee92eb (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 更新が止まっているようですが、応援してます!頑張ってください。 (2019年5月1日 23時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
吉良碧(プロフ) - どこんじょうさん» グラッツェぇぇぇぇ!!!!! (2018年12月24日 21時) (レス) id: f7049883cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:吉良碧 | 作成日時:2018年3月29日 20時

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