恋人ごっこ ２ 【角名倫太郎】

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その日からあっという間に日が経ち夏休み入って、

先輩は部活を

私はバイトに忙しく

メッセージのやりとりも会うこともないまま

１ヶ月がすぎた。



そんな時になっちゃんからメッセージが届いて



“ IH結果、稲荷崎は２位やったよ！ “

“ 角名先輩、活躍しとった！ “




『そっか、今こっちにいないのか…

帰ってくるの今日だっけ？』



なんて1人つぶやきながら考えるけど



全国で２位なんてすごいと思う気持ちが大きくて

私は気がつけば
そのまま先輩へと電話をかけてしまった。



勢いでかけてしまった電話に

我に帰って切ろうとしても

もうすでに遅いらしく



電話の向こうからは先輩の声が聞こえる。




『もしもし…すみません。急に電話かけちゃって』



「久しぶり、どうしたの？」

　

『なっちゃんから聞きました。

準優勝おめでとうございます』



「ありがとう。
１ヶ月ぶりくらい？元気にしてた？」




普通のカップルなら

あんまりしないような会話なんだろうけど…




『元気にしてました。先輩は？』




「会わない間にまた呼び方戻ってるね」




『…倫太郎』




「ん、会いたくなるね。声聞くと」



…わたしも会いたいって言っていいのかな



そんなことを考えていると

すぐ隣から

“ いちゃつくなや “と聞こえて

多分声の正体は侑先輩だと思う。



それから私たちの電話は

あっという間に終わってしまったけど



会いたいなんて言われたら

もっともっと会いたさは増すばかりで

切れた電話に


『…わたしも会いたい』


そう呟いた。



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