元彼と結婚しました【五条悟】２ -完結-

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いつの間にか全員が宿泊することになって、

寝る時のことを相談しにいけば、

Aの部屋からは野薔薇との話し声が聞こえた。

　

へ〜、珍しい。野薔薇が敬語使ってる。

　

そう思いながらも好奇心で話を聞いていれば

　

恋愛する中で結婚したい相手はいなかったのか

の質問にAは１人だけいたと答えた。
　
　
　

はいはい知ってますよ、その１人。

少し前まで付き合ってた元彼でしょ、

そりゃ家にまで行って飯作るくらいなんだから



もう聞くのやーめたと思って

そこから一歩離れた瞬間、
　


「高校生のときに初めて付き合った人」
　


その言葉を聞いて、僕の足は止まる。
　
　

「…好きって、伝えたいかな。

ちゃんと再会できたらだけど」



驚きのあまり、足を止めて聞いていれば

これ以上聞けば今後、理性がもたないと判断した。

　

『ちょっといい？』


話しているところ申し訳ないけど、

Aを呼んで、一緒に寝てくれないか聞けば


「はい、大丈夫ですよ」
　

『…じゃあ、また寝るとき呼びにくるから』

　

あまりにも簡単に承諾したから驚いたけど、

のちに聞けば彼女は勘違いしていたらしい。
　
　


それから悠仁たちと楽しそうに夜遅くまで話す


Aに痺れを切らし、強制的に電気を消した。
　
　


部屋まで手を引いて中に入るとAは

さっきまで悠仁たちとニコニコしていたくせに

どこか気まずそうで

　

『僕らは夫婦だし、何も問題ないでしょ？』

　

自分自身に言い聞かせるように

Aにも伝えて、大人しく寝ようと思うけど


気づけば彼女の手を引いて抱きしめていた。

　

あー…そういえばAと付き合って

初めて泊まった時もこんな感じだった。

　

なかなかベッドに入ってこなくて、

　

“ さ、悟くん、寝室にシェリーも連れてく？ “


“ シェリーに決めさせたらいいんじゃねーの “
　


シェリーに話しかけたり、そわそわしたり

挙げ句の果てにシェリーはリビングに戻って行って

焦るAを抱えてベッドに連れて行った覚えがある


　
そんなことを思い出していれば自然と腕に力が入り

Aをきつく抱きしめていると



「…わたし、どこにも行きません。

ちゃんと悟さんのそばにいます」



その言葉を言われた瞬間、

思わず手を離しそうになった。

　

それは僕らが付き合っていた頃に言われた言葉で


別れ際にAが謝りながら言った言葉。



　

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