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それから悟さんは、シャワールームへと向かうと
タオルを手に戻ってきた。
「痛みは？」
『このくらい平気です』
「ちょっと、沁みるだろうけど我慢して」
頷くと、悟さんはわたしの足を手に
ゆっくりとタオルを傷に当てる。
「Aはさ、もう少し警戒心を持った方がいいよ」
『…はい』
「こうやって傷の処置しながら
僕だって何するかわかんないからね」
『悟さんは、わたしの嫌がることはしない。
嘘もつかないし、私の意見だって尊重してくれる』
「僕はAに嘘ついたことあるよ」
その瞬間、思い出したのは
ずっとずっと聞きたかったシェリーの意味。
これを聞いたら最悪、
すぐに離婚になってしまうのかもしれない。
『…だけど、その嘘は
私のためについた嘘じゃないんですか？』
ここで悟さんがそうと言えば聞く、
だけど違うって言えば
もう私はこの話を悟さんに持ちかけることはしない。
「…どうだろうね」
返事は肯定でも否定でもなく
私の答えは出ることはなかった。
その瞬間虚しく思えてきて気持ちが溢れ出す。
『…今日、悟さんとお出かけ本当はしたかったです』
「うん」
『…このワンピース見てもらいたかったし、
一緒にいてほしかったです』
「ごめん、
だけど僕もこれを着ているところは
アイツじゃなくて僕が１番に見たかったよ」
そう言って頭を撫でる悟さんはずるくて
もうここまできた以上、
最後の賭けをするしかないと思った。
『最後に抱いてくれませんか』
「…本気？」
『本気で言ってます』
そのまま頬を両手で優しく包まれると
「もう一回聞くよ、
本気で言ってる？」
その言葉に頷いて自分からキスをすると
悟さんとわたしはベッドに倒れ込む。
それからどれくらいキスしてたのかはわかんないけど
「…今日アイツに何された？」
お互いの鼻と鼻は触れ合って
あと数ミリ動けば唇が触れ合う距離まで離れると
ふと思い出したように聞いてきた。
『何もされてません』
「Aってさ、
嘘つく時とか後ろめたい時
一瞬だけ目を逸らす癖あるの知ってる？
アイツに何された？」
『手繋がれたのと、
…キスしました』
「じゃあ、これでおしまい」
そう言ってわたしと離れると
彼は冷蔵庫から水を取り出す。
要するに悟さんはわたしを抱かないって
結論を出したということ。
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もも(プロフ) - こんにちは。スピンオフのお知らせ拝見しました。是非拝見しましたので、パスワード教えて頂けますでしょうか。お願いします (2021年1月29日 16時) (
レス) id: 18c17e118b (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - milyyさん» こんにちは、はじめまして！素敵なコメントありがとうございます。今週末に完結予定なのでお時間のある際に見ていただけたら嬉しいです！また続編でもお会いできますように (2021年1月29日 15時) (レス) id: dbb7e95a8d (このIDを非表示/違反報告)
milyy(プロフ) - こんにちは。初めまして。この作品、とても好きです！！何かこう、言い表せない感じのもどかしさや切なさがあって、素敵です！ 応援してます！ (2021年1月4日 23時) (レス) id: fb7da08eec (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - アネモネさん» コメントありがとうございます！他の作品を読んでくださったなんて…！涙が溢れ出しそうです…。もうそのコメントがわたしの元気と癒しになっています…！この作品を見つけて読んでくださりありがとうございます！また続編でもお会いできますように…！ (2021年1月3日 9時) (レス) id: 43a53e8322 (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - ホログラムさん» コメントありがとうございます！もしかして一気読みしてくださったんですか？！すごくすごく嬉しいです！ホログラムさんのコメントにドキドキニヤニヤしました！この作品を見つけて読んでくださりありがとうございます！続編でもお会いできますように！ (2021年1月3日 9時) (レス) id: 43a53e8322 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mai
| 作成日時：2020年12月23日 10時
