* ページ15
「「…でか」」
『そうか?』
Aに連れられてやって来たのは、周りの家よりひと回り、ふた回り大きい家。
「お帰りなさいませ」
しかも武装した見張りまで居る。
『嗚呼、今日からこの二人が住むからな。把握しておいてくれ。二人を狙って来る輩には容赦しなくていいからな』
手短にここまでの経緯を説明してAは二人を連れて家に入った。
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『此処が二人の部屋だ。ボクは夕食を作ってるから荷解きでもしておいてくれ』
「「…はーい」」
案内されたのは未だ小さい二人には勿体ない程の大きな部屋。
「…なぁ…太宰」
「…俺たち、とんでもない所に来ちまったな」
「煙突がある家なんて、まるで外つ国の様だよ」
未だ家具が無い、殺風景な部屋の真ん中に二人は座り込み、話をしていた。
近くには大きな荷物が置いてある。
「…取り敢えず荷解き、しようか」
「…嗚呼」
色々な事を諦めた二人は大きな荷物に手を掛けた。
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『「太宰治」と「中原中也」か…』
キッチンの中で幾つかの資料を眺めるAはその資料に書かれた二人の名前を読み上げた。
『二人とも12歳なんだな』
未だ未だ子供だな…と苦笑し、その下に書いてある異能力について読む。
太宰治
異能力【人間失格】
直接触れたありとあらゆる異能力を無効化する。自分の利になる異能力も無効にしてしまう事が難点。
中原中也
異能力【汚れつちまつた悲しみに】
触れたものの重力のベクトルと強さを操ることが出来る。それを利用して自身がどこにでも立てるほか、触れた相手の重力を自在に操って自由を奪うことも出来る。
『「尚、【汚濁】形態では非常に強力な異能力となるが制御不可となり、死ぬ迄暴走し続ける」』
『ありとあらゆる異能力を無効化する、治』
『制御不可となる異能力を持つ、中也』
Aの翡翠色の瞳に突き刺す様な光が浮かぶ。
『…成程。この二人は━━━━━』
ピー
言葉を遮るように炊飯器が音を立てた。
⦅そうだ、夕食⦆
資料を近くの棚に仕舞い、Aは夕食の準備を始めた。
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菜月羽(プロフ) - とくさん» 初めまして!貴重なご意見有難う御座います!了解致しました! (2018年3月22日 8時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
とく - 初めまして。イメージ画像は見たい人が見ると言う形にしてもらえませんか? (2018年3月22日 6時) (レス) id: 1a488f8aaa (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 良かったです!有難う御座います!またリクエスト有りましたら何時でも!これからも頑張らせて頂きます! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 菜月羽さん» めっちゃ面白かったです!!ありがとうございます!!これからも頑張って下さい!!応援してます! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 66cc8ffaf1 (このIDを非表示/違反報告)
菜月羽(プロフ) - チョコレートさん» 有難う御座います!頑張ります!リクエスト了解しました! (2018年2月3日 7時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜月羽 | 作成日時:2017年12月4日 16時