【イナGO】stay foolish 番外編 2

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｢この前、部活の大会の時書いてくれてありがとう｣







一体なんの話しをしているか分からないし、何を書いたのかも分からないが、必死に頭をフル回転させ自分が書道部のことを思い出した







それでもぽかんとしていると、Aは少し不思議そうにこちらを見ながら｢壮行会の話｣と付け加えた









確か、俺たちの学校は部活動の壮行会を行う時それぞれ部活動の名前を書道部が垂れ幕に書かなければならなかったはずだ









｢私達の部活、部員が少ないから部としてあんまり認められてないし、馬鹿にされてるからみんな私たちのためだけに書いてくれないし…｣









｢そんな時、松風君が『俺がやる』って馬鹿にしてるみんなの前に出て言ってくれて、｣










｢私、本当に嬉しかった。｣













そう言って少し恥ずかしそうに頬を染めて若干下を向きながら言うAを見る












俺は、今までそういう経験がないからあんまり分からないけど、さすがにこの姿を見て気づくこともある









自意識過剰だと言われてもいい。それほどの確信があるから言える











多分、この世界線のAは俺のことが好きだ＿＿＿＿



















夢にまで見た光景が、今、目の前で起こっている。その証拠に隣に座るAの耳はほんのりと赤く、先程から落ち着かないのか行き場のない指先同士で遊んでいる







このままこの世界線にずっといてもいいかもしれない。そんな馬鹿なことを思うほど今の俺は浮かれていた。








だってあのAが俺を想っているのだから。

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