【イナGO】stay foolish 3

無意識 ページ29

毎日部活後に、2人の練習を見守る



最近は2人とも張り切っていて、天馬はより一層キャプテンらしくなり、練習中もキレよくみんなに指示をしていた


今日もいつものように夜遅くまで練習して帰る



｢行くぞ｣


『うん』


今日は、京介が家まで送ってくれるらしく、声をかけられたため着いていく




こう見ると、初めてあった時よりかなり柔らかい表情をしているなと思う



確実に笑顔の回数が増えた。それこそ爆笑とかしている訳では無いけど、口角が少しでも上がっているのを見るだけで嬉しくなる




ふと、京介の腕を見るとまた新しく痣や傷ができていることに気づいた



『ここ、また新しい傷できてるよ』



歩きながら京介の腕を取り、指をさす




｢ただのかすり傷だ｣



『…多分ここだけじゃないと思うけど、傷が出来たらすぐに言うこと。じゃなきゃ私がいる意味ないよ。』



｢…お前は俺の隣でいるだけでいい｣



『え、？』



京介があまりに小さい声で言うのでなんて言ったか分からず聞き返すも、｢なんでもない｣とはぐらかされてしまった




京介の言動を不思議に思いながらも、一通り京介の腕を見ると手の甲にもたくさん傷があった




『あ、ここにも』




京介の手を両手で持ち、『なんで言わないの』と少し怒る





カバンに常備しておいた擦り傷に効く軟膏を京介の手の甲に塗る





しばらく塗り続け、ふと上を向いて京介の顔を見ると少し頬が赤くなっていた




『どうしたの？』


｢お前…、無意識でやってるのか｣


『何を…？』





私がそう返すと京介はあからさまにため息をつく。




｢俺は好きなんだぞ｣





京介にそう言われ、前に告白のようなものをされたことやなんか諸々色んなことを思い出し顔がぶわっと赤くなる。いくら私だって「何が」と具体的に言わなくても分かる。




｢まあ、Aに治されるなら怪我も悪くないな｣




いつもとは違う妖美な笑みで微笑んでくるので、ぐっと言葉が詰まる



『バカ言わないの』

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