【イナGO】stay foolish 3

2人だけの ページ19

｢ちょっと来て｣




太陽にそう言われ、少し賑やかだった場所から離れ、人気の少ないスタジアム内に入った






｢……Aの言いたいことは分かるよ。大事にはしたくない。だから2人で話そう｣





太陽にそう言われ、ここまで連れてこられた理由がわかった




『じゃあ、言わせてもらうけど、どうして先に試合に出ること言ってくれなかったの？』





｢……だって、言うと絶対止められると思ったから……。｣





『止めるよ…今も出来ればやってほしくない。』







『お願い太陽。後半からは出ないでほしい。』




自分の気持ちを正直に太陽に言う



｢ごめん、A。僕は後半も出るよ。キャプテンだし…｣





『…だって、今の状態でも化身を出すどころか、普通にプレーするのもきついでしょ…。天馬も心配してる…』



｢天馬の名前は出さないで。確かに天馬に心配をかけていることも悪いと思ってる。｣



｢でも今は僕とAだけの時間だ。天馬の名前は出さないで｣





先程とは打って変わったように鋭い目付きで話す太陽







『…とにかく本当に太陽の体を思って言ってるの。後半出なければまだ体も治るかもしれない。でももし出て大きなことに繋がったら…』







最悪の事態が脳裏でよぎり手が震える






私は、また目の前で人が弱っていくのを見るなんて耐えられない




｢……いくらAの頼みでもそれは聞けない。僕はどうしても後半出なきゃならないんだ｣





『太陽お願い。本当に、もう大切な人が弱っていくのは見たくないの。』






その言葉を放ち思い出すのは次第に弱っていく母の姿だった。







ねぇ、太陽。







どうして






『どうして笑ってるの……』

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