姫と呼ばれた乙女（？）な彼とふとイケメン系な少女【Q.K】

Pの実見~その1~ ページ7

今日は昼以降からオフィスで集まりがある

溜まっている動画の編集をしないといけない俺は他のメンバーよりひと足早くオフィスに着いていた

俺が来て少しすると、川上、Aちゃんの順にオフィスに入ってきた

｢「お疲れ様です」」

「川上もAちゃんもお疲れ。2人は一緒に来たの？」

「いえ、たまたまオフィスの近くで会いまして」

「そこのコンビニでモンエナ買ったら、会ったんで後は成り行きですね」

Aちゃん、川上の順で経緯を説明してくれる。川上はいつもより心なしか嬉しそう

「福良さん、お茶入れましょうか？」

「じゃ、少し早いけど休憩にしようかな」

Aちゃんはよく休憩のときに飲み物やお茶菓子をよく出してくれる

「福良さん丁度いいので、空いている部屋の空気の入れ替えしても大丈夫ですか？」

「川上、ありがとう。よろしく」

使っていたパソコンのデータを保存しつつ、答える

俺も手伝おうと思ったが、川上がもう全て開けてくれたようだ

よく、休憩として使っているところも窓は開けられカーテンが風に、はためいていた

空は少し暗いが、風は嫌なものを含んでおらず清々しい

そこに紅茶ポッドとカップを乗せた御盆を持っているAちゃんとお菓子を持つ川上が入って来た

「川上さん、お菓子持てるので私にください」

「危ないから、俺が持ったんじゃん」

「別に危なくないですから。それください」

「やだ」

何故か他わいもない言い争いをしながら･･･

まぁこの2人なら特別珍しくもないが

「ふくらさん、今回は紅茶とクッキー、マドレーヌです。砂糖とミルクはこっちの隅に置いて置きますね」

テキパキとカップに紅茶を入れてミルク、砂糖の準備も抜かりない(俺も川上もあまり使わないが)

「見てわかる通り、こっちの皿はクッキーで、こっちはマドレーヌっす」

「Aちゃんも川上もお茶の用意ありがとう」

「「いえ(いえ！)」」


息ピッタリに謙虚な言葉を並べる2人、見ていて少し微笑ましい



伊沢がよく早くくっつけばいい、とか言うのもあながち解らない話ではないが、「恋人」というものはこの2人には少し近すぎる距離感かもしれない



少なくともさっきから川上に(別に川上だけにってわけじゃないが)お菓子を持ってもらうだけで申し訳無いような顔をするAちゃんには

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