そういえば ページ24
『…ぁ、』
あのあと、私の荷物を少し片付けていた。
そういえば、一松さんが私のご飯に毒を入れると言っていた。
そのことを思い出して小さく声を出す。
「ん?どうしたカラ松girl」
カラ松様がこちらを向いて言う。
すみません、違うんです、なんて変な返事をして考える。
ご飯は私とチョロ松さんが作ったんだよね。
なんだか、申し訳ない気がする。
「カラ松girl」
『はい?』
大体は終わったのだろう、カラ松様がベッドに座って私を呼ぶ。
そのサングラスは一体何処から出したんですか。
「少し、休もうか」
疲れたろ、と笑う。
そうだ、少し気になっていたことがあったんです。
そう言ってカラ松様の隣に腰掛ける。
「…聞きたいこととは?」
穏やかな眼差しで優しく見つめられて聞かれる。
そうやって首を傾げるのって、無意識ですか?
『カラ松様は、どうして私のことをカラ松girlって呼ぶんですか?』
そう。再開した時からずっと気になっていた。
初めて会ったときは普通にAと呼んでいたのに、それ以来ずっとカラ松girlだ。
名前を忘れられたのかと不安になって仕方なかった。
これで名前を忘れられていたら私は──
「えっ…呼んで、いいのか?」
…わたし、は?
『あ、…呼んで、いいんですよ…?』
忘れられていないのか、と安心しつつ、途切れ途切れの変な返事をして笑う。
口元を隠して恥ずかしそうにするカラ松様は、可愛い。
「…A、ちゃん」
私から目を逸らして、いつもの凛々しい眉を下げる。
久しぶりに呼ばれたその名前が、何故かとても嬉しくて。
「…?Aちゃん…??」
本当は、呼び捨てで呼んで欲しい。
なんて我儘は言えなくて。
『はい、Aですよ、カラ松様』
呼び捨てがいいという言葉を無理に飲み込んで、笑顔を浮かべる。
引きつってないかな、と不安になるが、きっと大丈夫だろう。
「…Aちゃんも、様付けなんてしなくていいんだぞ?」
それに、俺だけだとなんだか恥ずかしい。
赤い頬を必死に手で隠しながら言われる。
待って下さい、やっぱり貴方って天使ですか?
でも、答えは決まってるんだ。
『すみません、私は遠慮させていただきますね』
そう答えれば、少し残念な顔をしつつも、理由は聞かずそうか、と呟いた。
正直理由など無いし、私がただ呼びたいだけなのだが。
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黒梨(プロフ) - おらっちさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです〜!がんばります! (2016年6月20日 22時) (レス) id: 718fa49758 (このIDを非表示/違反報告)
おらっち - 私もカラ松の声が大好きなので、すごく主人公に共感しながら読ませていただきました!頑張ってください! (2016年6月20日 22時) (レス) id: 7dee3cf99d (このIDを非表示/違反報告)
いちごれんにゅう - 黒梨さん はい!ドドドストライクです! そ、そんな…!私なんかに好きって言われて墓入りしないでくださいー!!(;´・ω・`) はい!じゃあ普通に待機していますw (2016年2月22日 1時) (レス) id: 8b9736004b (このIDを非表示/違反報告)
黒梨(プロフ) - いちごれんにゅうさん» コメントありがとうございます!まじですかドストライクですか!!すきと言われて墓入りしそうなほど嬉しいです!風邪を引かない程度にお待ち下さい…頑張ります! (2016年2月21日 22時) (レス) id: 4e0232354b (このIDを非表示/違反報告)
いちごれんにゅう - ヤバいです…ドストライクです…黒梨さんのこの作品めっちゃすきです…!設定も好きですし六子のしゃべり方…キャラ…!めっちゃ大好きです!更新全裸待機(笑)して待ってますw頑張ってください! (2016年2月21日 21時) (レス) id: 8b9736004b (このIDを非表示/違反報告)
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