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何度捕まえても指の間からすり抜けてゆく。
水のように清くて儚い存在。
俺にとって酸素と同じ様に必要な君を
逃したくはなくて何度も追いかけては捕まえた。
今日もまた君は俺から逃げる様にすり抜ける。
その様子が酷く嫌で憎らしくて＿＿＿、
醜くくて穢らわしい"それ"をぐちゃぐちゃに破いて、ゴミ箱へと捨てた。
＊
屋上へと続く扉の前で私は乱れた呼吸を整えた。
目の前に佇む鉄の扉にごくり、と喉を鳴らす。
何となくスマホの暗い画面で前髪を直す私は凄く女の子らしいなと自分でくすぐったく感じた。
深呼吸を一回。
高鳴る鼓動を抑えながらドアノブを回せば、隙間から風がぶわりと吹き付ける。
前髪直した意味がないや…、と思いながら広い屋上を見渡せば、此方に背を向けてフェンスから街並みを見つめる男子を見つけた。
暫しぼう、とその姿を見つめているうちに屋上の扉が私の手から離れ、風に押されて勢いよく閉まる。
叩きつけるような音に少し耳を塞げば、背を向けていた男子はゆっくりと此方を向いた。
「…あ、」
その男子を見て私は意外な人だと思った。
その人はこの学校の生徒会副会長で私と同じ学年の人だった。
会長であるナムジュン先輩の隣にいつも居るイメージのその人はダンス部と掛け持ちしていた筈。
一度だけダンス部部長のホソク先輩と踊っているのを部室の前を横切った時に見た事がある。
要するに彼は学年でも人気の人だった。
もちろん話した事は一度だって無い。それは先程の手紙にも述べられていた。
彼は私と目が合うと律儀にも会釈をして、此方に歩み寄るように近寄ってきた。
「来てくれたんだ、…ありがとう。」
「い、いえ…」
ぎこちない会話。
だけれどとてもキラキラしているように感じる。
「君にはジョングクが居るから来ないと思ってたから凄く嬉しい」と笑う彼に少し申し訳なくなる。
彼とは体育でも見かけた事がないので私のクラスとは縁があまり無い。
それなのにグクの事を知っているということに恥ずかしくなった。
「でも、ジョングクに彼女が出来たって聞いたから今がチャンスだと思って…格好悪いね俺」
「そんなこと…ない、よ。」
感傷的に笑う彼にそう声を掛ければ、優しいねと微笑まれる。
その様子に目を奪われていると、彼は真剣な眼差しで私を見つめた。
「…入学式からの一目惚れなんだ。
僕と付き合ってください。」
そう言って彼は私の手を取った。
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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです！！ (2020年5月23日 22時) (
レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん（）(プロフ) - 続き書かないんですか？めちゃ気になります！ (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー？楽しみにしてまーす！ (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん（）(プロフ) - 続き書かないんですか？ (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです！！ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます！ (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飛鳥 | 作成日時：2019年6月12日 23時
