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しばらくして、私は彼にひとつうちあけ話でもしてみようと考えつく。
「なあなあ」
「どうした、錦」
「んー、あーいやぁ、それ程重要ってわけじゃないんだけどさ…」
いざ、言おうと思うとしり込みをしてしまう。
言葉を濁しながら、どう伝えるべきかと思考をめぐらせていると、「なんやねん…」と少しイラつき始める彼。
「いや、ほんと。大したことは無いんだ…けど、さ」
「なんや?」
「あの、さ」
イラついているのが分かるから少し、焦って言葉を続けていく。
「わた…オレがさ、男じゃないって言ったら…お前はオレのことキライになる…?」
「…はあ?」
一瞬理解できない、という顔をしてこちらを見る。
「なんだ、急に」
「いや、別に、ホントに。何となく気になっただけって言うか…」
「おかしな奴」
そう言うと、再びゲームの画面に集中し始める。
その横顔を見て、少し心が痛んだような気がした。
それからしばらくして、あの事件は起きたのだ。
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作者名:にこ† | 作成日時:2020年3月31日 10時