危機一髪 ページ46
｢貴方…、真っ直ぐなのはとても良い事ですが、少しは周りを見る余裕を持ちなさいな？…身を滅ぼしますよぉ？｣
｢は―｣
気づいた瞬間、私はコネシマの元に駆け出していた。
｢ヤバっ…！？｣
コネシマは慌てて飛び退こうとするも、体勢を立て直しきれていなかったのかすぐに動き出せていない。
｢コネシマさんっ！！｣
届いた手が思い切りコネシマの肩を押す。
｢―おまっ？！｣
驚いたように目を見開いた顔を見た瞬間、目の前に瓦礫が降りすぐに見えなくなった。そして同時に、身体中に瓦礫が降り注ぎ痛みが襲ってくる。
すぐに体にのしかかる重みが取れ、見上げると慌てたようなコネシマの顔がそこにあった。
｢おっ…お前…何やってるんや…！？！｣
｢き、気がついたら体が動いてて…すみません…｣
なんとか体を起こすと、コネシマが肩を支えてくれる。
｢うーむ、目標はズレてしまいましたが…まあ、いいでしょう｣
そう言うと相手は、まるで手品のように手元に爆弾を取り出す。
コネシマはそれに対抗しようと、ククリナイフを構える。
嫌な予感がする。
｢コネシマさんっ…！｣
｢ちょっ！お前なにっ…？！｣
コネシマの手首を掴み、彼を引っ張る。
痛む体に鞭を打って、廊下を思い切り駆ける。なぜ駆けだしたのか分からないコネシマが、後ろからドヤしてくるが気にせずにひたすら走る。私の思い違いでなければ、あのままあそこにいるのはまずい。
階段の手前にある部屋に入り込む。
｢はっ…なっ、なんやねっ…むぐっ？！｣
｢こっ、声が大きいです…。もうちょっと静かに…！｣
扉を閉めると同時に、声を上げる彼の口を押えてとにかく黙ってもらう。そんなに大声を出されては、すぐにバレてしまう。
｢…は、で、なんや？急に走り出しよって…｣
しかし、その手はすぐにコネシマによって退けられるが、落ち着いて問いかけてくる。
扉を背に座り、私の感じた嫌な予感を伝えることにする。
｢コネシマさん、私、ここにはいる時警備兵が血を流して倒れていると報告しましたよね…？覚えてますか？｣
｢ん？ああ、確かにされたな。それがどうしたんや？｣
｢いえ、あの時、詳しくは伝えませんでしたが、その兵士は腹部から血を流していたんです｣
｢…つまり、お前はあの爆弾野郎の他に、別のやつがおるかもしれへんって言いたいんやな？｣
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月27日 7時
