全員救出 ページ44
長女は無事であったことを伝えると、少し安堵したように微笑む。
｢…恐らく、妻と母はこことは反対にある、小部屋に、いるだろう…。今日は…落ち着いた中でお茶を飲もうと、話していたのを聞いていたのでね…｣
｢ありがとうございます｣
お礼を告げた瞬間にドンという音と共に揺れが伝わってくる。
下の階で小さな爆発があったのかもしれない。
｢…地下か…？｣
そう小さく呟いたヒストリア氏を見る。
｢地下…ですか？｣
｢ああ、一応、防空壕として地下室を備えているのだがね…この、音や衝撃の感じからして、恐らく地下から届いたものだろう｣
｢では、奥様とお母様を見つけ次第、娘さんの部屋に連れていきます。そしたらここから脱出しましょう。恐らくコネシマさんが交戦していると思いますので｣
｢すまない…。君みたいな女性に危険なことをさせてしまって…｣
｢いいんです。私がやらなければいけないこと事なので｣
ヒストリア氏も娘の部屋で隠れてもらい、今度は残っている2人を連れてくる。
下の階から爆発の音が響いてくるが特に危険なことも無く、2人を合流させることが出来たが、コネシマからの通信が一切入らないことだけが段々と不安になっていく。
｢…そろそろ応援が来るはずです。皆さんでここから外に出てください｣
途中で見つけたロープを窓の枠に括りつけて、下に垂らす。
｢しかし…｣
｢私は大丈夫です…！コネシマさんの応援に行ってきます｣
｢…分かった。犯人は君たちに任せよう。頼んだよ｣
そう言うと順にロープを伝っておりていく。全員が無事に外に出ていったのを見送ると、急いで階段に向かう。
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月27日 7時
