【軍パロ】魅入られた瞳は3【d!】 (ページ13)

今日:28 hit、昨日:0 hit、合計:71,434 hit

お礼の贈り物ページ13

｢ちゅめたい…まあ、そんなに怒らんといてや？な？｣

そう言うとジャケットの内側へ手を突っ込み、ゴソゴソと何かを探し始める。
その動きを不審気に見ていると、｢あった｣と小さな袋を取り出した。

｢それ…｣
｢これは今日付き合ってくれたお詫び。後ろ向いて｣
｢？｣

疑問に覚えながらも、背中を向ける。
すると髪ゴムに何かを付けられる。
カシャと小さなシャッター音。

｢？！｣

慌てて振り返ると、満足げに笑う鬱先生がスマホの画面をこちらに向ける。

｢ほら、ように合ってるやろ？｣

そこには私の髪ゴムに、海を思わせる装飾の施されたアクセサリーが付けられていた。

｢ほら、お店周りしてた時にAちゃん、1回トイレに外れたやろ？そんときに買ってたんや。多分、今回きりで解決やと思っとったからな｣
｢あ、ありがとうございます｣

彼の優しさにドギマギとしながらもお礼を言う。
するとまた小さなシャッター音。

｢あっ！また撮りましたね？！｣
｢ふふふ、保存しとこーっと｣
｢けっ消してください！！恥ずかしいです…！！｣
｢やーだよー｣

ダメもとで彼のスマホを奪おうとしてみるが、ひょいと躱される。

｢さ、もう用事も済んだし帰ろうか｣
｢あっ！ちょっと、無視ですか！？｣

そう声を張り上げると彼は、ふふふふと楽しそうに笑い路地を出ようとする。
私もそれを追いかける形で路地から出て行く、
帰りは視線を一切感じなかった。
しかし、撮られた写真は消してもらえなかった。