嵐のよう ページ1
翌日、朝のトレーニングは怪我を理由に断りを入れた。
しかし、見回りくらいならとシャオロンとコネシマの元に押し掛け着いていくことにした。
この日は特に変わりなく街の見回りを終了した。
｢あれ、コネシマさんにシャオさん、それにAさんやないですか。奇遇ですね｣
基地へ戻っている途中で、チーノと出会った。
｢お、チーノ。何やっとるん｣
｢いやぁ、暇になったんで散歩に来たんすよ。3人は見回り終わったんですか？｣
｢おう、今日はなんも変わりなかったからな｣
その言葉を聞くと、そうですか、と呟き私の方を見る。
｢じゃあ、Aさん借りていいですか｣
｢はい？｣
｢いや、自分暇だし、Aさんもやること終わったんなら、この間の約束話してもらおうかなぁ、と思いまして｣
｢この間…？｣
何かあったかと、頭の中をこねくり回す。
｢あれ、覚えてません？鬱先生とも約束してたでしょう？アレです｣
｢あ｣
模擬戦の時のか。
なんでまあ、覚えているんですか。
私は日々色々ありすぎて覚えていませんでしたよ。
｢いや、そんなん俺らに借りていいかとか聞かれても…。ちゃんと本人に了承得ろや｣
シャオロンがそう言うと、｢それもそうですね｣と言い、私の方に近づいてくる。
にっこりと笑みを浮かべると改めて聞いてくる。
｢Aさん、これからお茶しません？｣
｢い、いいですけど…｣
特に断る理由も見つからないので了承する。
｢では、オススメのお店があるんですよ。そこに行きましょう。シャオロンさん、コネシマさんお疲れ様でーす｣
そう言ってわたしの手を引っ張り街へと繰り出していった。
｢アイツ、あんな嵐のようなやつやったっけ…｣
｢あんなもんやったんちゃう｣
取り残された2人は、街に向かうチーノとAの姿を見ながらそう呟いていた。
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月27日 7時
