血濡れの京人形は武道の姉！！ 参！

ありがとう ページ41

稀咲の首を締め、ひたすら顔を殴る。

半「稀咲ぃーーーー！！」

半間がバイクでやって来たが、

「邪魔。」

ﾊﾞﾝｯ!!

転がってた銃で半間のバイクのタイヤをパンクさせた。その勢いで空中にふっ飛ばされる半間を尻目に、また稀咲を殴る。

龍「おい！三ツ谷もうよせ！！」
八「駄目だよタカちゃんを！暴力は守るために使えよって、俺に言ったじゃん！！」

「黙れ。」

煩わしい声で生まれた苛立ちを更に稀咲にぶつける。

もう何もわからないんだ。
前も後ろも、右も左もわからない。

わかりたくなんてない。当たり前にいた京が死んだも同然になったことなんて、認めたくない。

京ともう話せない。
京への服を作ってあげてももう意味なんてない。
京の――

貴〈さっきの意味を伝えに――〉

なぁ、京。お前、どう返事を返す気でいたんだ？
お前ってぶっ飛んでっから、あのキスも俺が期待してるような意味のやつではないかもしれない。

わからない

本当だったら、抗争が終わったらわかるはずだった。
それなのに、それを遮ったのは、稀咲だ。

稀咲。お前はどうして俺の大切な人を攫ったんだ？おかしいだろ、こんなの。
アイツは幸せにならなくちゃいけなかったんだ。今まで苦しんだぶん、誰よりも幸せになってほしかったのに、なんで邪魔したんだ。

次から次へと湧き上がってくる

憎悪

後悔

悲嘆

虚無

グチャグチャに絡まって、何もわかんなくて、

(もう、どうでもいい・・・。)

俺は、心を空虚にした

？「隆ッ！！」

その時、フワリと背後から包まれた。

この柑橘系の香り、知っている。
俺が好きになった人が纏う匂い。

「京・・・？」
貴「そうだよ、アホ隆！」

なんで？
もう二度と目を覚ますことはなかったんじゃ・・・？

貴「隆・・・。

ありがとう。」

手当てしてくれてありがとう

褒めてくれてありがとう

裁縫を教えてくれてありがとう

怒ってくれてありがとう

傍にいてくれてありがとう

貴「好きだ、って言ってくれてありがとう。
私も好きだよ。隆のこと、凄い好きだよぉぉ。
隆ごめんねぇぇぇぇぇ。こんなことさせてごめんねぇぇぇ。」

子供みたいに一度にたくさんの感情をぶつけると、目元を赤くしながら眠ってしまった。

空虚になった心に、たくさんの温もりが積もったような気がする。

(早くも、貸し借りナシにされちまったな。)

聖夜決戦でのことを思い出しながら、俺の意識は途絶えた。

後悔なんて無いはずだった→←血は繋がってなくとも

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