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いいのかと ページ11

「まぁこれは愚問かと思いますが、貴方はAを愛していますか?」


 陽美殿の口から零れた拍子抜けするほど簡単な質問にしばらく唖然とした後何故か俺は腹の底から笑いが込み上げてくるのを感じ大声を出して笑いたくなったがそれは流石にしなかった。だが、多少は顔に出てしまったらしい。右の口の端が少々つりあがっているのが筋肉の動きで分かった。…とは言っても他人から見れば分からないような変化だとは思うが……


「はい。心の底から」


 空気を震わせ耳に届いた己の口から出た言葉に多少驚く。


 なぜかと聞かれれば分からないと答えるしかないような事だが、あいつに想いを告げたのは一度だけだ。その一度の時だけでもあいつにどれ程のものを抱いているのかがよく分かった“つもり”でいた。





 だが、分かっていなかったらしい。
 少なくともすんなりと気づかぬうちに世間話でもするかのような自然さで口から零れる程だとは…



「…嘘偽りは無いようですね」


 俺は何も答えなかった。それはこの母親なら言葉で伝えなくとも全てを悟る事ができるだろうと言う考えのもと。





「ふふっ貴方は真っ直ぐな方なんですね」




 俺を見上げながらこの母親は何かを見極めるような目をしていたが




「…本題に入るのではないのですか」
「今から入りますよそう急かさないで下さいな」




 次の瞬間にはにこにこと人の良さそうな笑みを浮かばせていた。




「まず、あの子の瞳の色が変わる事はご存じですか?」
「知っています」
「なら話は早いですね」



 陽美殿が一度瞳を閉じ開いた時にはもう…表情が消え失せていた。その唐突な変化に僅かに顔をしかめる。



「……あの子は私達の子ではありません」
「!?」



 片眉がぴくりと動く。俺は、あいつからも聞いた事の無いような事実に驚きを隠せずにいた。



「どういう事かお聞かせ願えるか」
「えぇ」



 物憂げな視線を腹の方にやりながら一際小さい声で呟かれる言葉に耳を傾けた。



「…あの子は昔。雨の降る日に木の根元にひっそりと置かれていたのを私達が拾ったんです」





 そう呟いた時の陽美殿の声は必死に涙をこらえるように震えていた。

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設定タグ:マギ , 練家 , 紅炎   
作品ジャンル:恋愛
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クロエ・カナリア(プロフ) - リリスさん» ありがとうございます!!それと更新しました!!これから色んなハプニングを書く予定なので更新頑張っていきたいと思います!! (2014年8月12日 15時) (レス) id: 784221778b (このIDを非表示/違反報告)
リリス(プロフ) - だから頑張ってください! (2014年8月12日 12時) (レス) id: c1c3251abd (このIDを非表示/違反報告)
リリス(プロフ) - 気にしません! (2014年8月12日 12時) (レス) id: c1c3251abd (このIDを非表示/違反報告)
クロエ・カナリア(プロフ) - リリスさん» 暖かいお言葉が胸に染みます。本当にありがとうございます!!それと3DSの都合により更新できなくてごめんなさい!!今後もこのような事が多々あると思いますが末長く宜しくお願いします! (2014年8月12日 9時) (レス) id: 784221778b (このIDを非表示/違反報告)
クロエ・カナリア(プロフ) - *ギーマ*さん» あ、ありがとうございます!!これから更新頑張っていくのでこの作品を見守っていていただければと思います。それと3DSの都合により更新できなくてごめんなさい!! (2014年8月12日 9時) (レス) id: 784221778b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロエ・カナリア x他1人 | 作成日時:2014年7月25日 22時

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