死のうとしたら零さんが現れた【 あんスタ 】

現れない＊１１ ページ12

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「A、少し話をしよウ」


「んえ〜…なに」




ご飯を食べ終えて、お風呂も入ってテレビを見てのんびりしている時のこと。



いくら家が隣だからとはいえもう１０時。

健全な男子高校生と女子高校生が家に二人は怪しい。


…嘘です冗談。




純粋に、夏目はいつ帰るんだろうと思いつつ、しょうがなく話をすることにした。





「Aは昨日まで命を捨てようと思っていただろウ？」




ド直球。



夏目から目がそらせなかった。




「これでも長年の付き合いをしているんだかラ、わかるヨ」





肯定するしか、なかった。





不倫が原因の親の離婚。

彼氏にはフラれ、友達もいなくなった。



そんな人生クソくらえと飛び降りを決意したのは紛れもない事実なのだから。






「ごめん、夏目。でも私もう、」


「プロデュース科に来なイ？」


「…プロデュース科？」





最後まで言わせることなく夏目が口を出す。



もう死ぬつもりはないと夏目は分かってるんだろうか。


…分かって、そうだなぁ。





「普通科に居られないのなら、プロデュース科に来ればいイ」


「３年から？」


「時期なんて関係ないサ。プロデュース科は子猫…あんずという人がいるけド、きっと仲良くしてくれると思ウ」




うーん、でもなぁ。



確かに普通科には居づらい。

友達がいなくなって、３年から友達作りなんて無理だ。

だけど、だからといって転科するとなると…。





腕を組んで悩む私に、夏目はまぁ、と前置きをしておいて、




「もう転科することは決まっているんだけどネ」




なんてけろりと伝えた。




「は、はぁ？！本人の許可なしにどうやって！」


「それは秘密」


「はぁぁぁっ！？」





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