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善逸にうどん奢る詐欺をされた後
食べず払わずで帰ったアイツの分を
食べて支払いも済ませ店を出た
その帰り道
街を出て辺り一面田んぼに囲われた一本道を歩きながら私は考えていた
うどん屋さんで善逸に言われた事を
"逃げてばっかじゃ始まんない"
後押ししようと善逸が言ってくれたのに
とっても残酷な言葉だった
逃げてちゃ始まらないなんてさ
逃げなきゃ終わる恋をした私はどうしたらいいの
そりゃ私だって
好き
って伝えられるなら伝えたいよ
願わくば
恋人になりたい
だけど、
前に進めば
今まで思い続けた時間も
破裂してしまいそうなほど溜め込んだ想いも
全部
思い出にはなるけど形にはならないで終わる
そんなの悲しいじゃん
だから私はこの想いを伝えずに
想い続けた形として残したい
分かっているから
伝えずに想い続ける方が
幸せなんだ、私は
だから
いいの
苦しくても
辛くても
やめてしまいたいと思っても
好きって気持ちは変わらないから
私はこのままでいい
頬を伝うもの
それはまるで私の気持ちを否定しているみたいに
溢れ出てくる
ごめん、善逸
私には
『……できないよ』
好き
その二文字が
私を苦しめる
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作者名:やいばちゃん | 作成日時:2019年12月31日 11時