うしろのしょうめん (ページ36)

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episode35 ページ36

「豆腐かぁ…」
真っ白な豆腐、いやあれは…久々知さんほど好きになったって訳では無いが、普通に食べやすかったのだ
他の出してくれたご飯とは何か違う、今度久々知さんに作り方教えて貰おうかな…？
「(いや、あそこまでの豆腐の量はちょっと…)」
私は一瞬考えたが、諦めることにした
「おい！お前か！私に一緒に鍛錬しようと言ったやつは！」
「えっ？」
私が振り向くと六年生らしき人がグイッと顔を近くまで寄せてきた

「あの…近いです…」
「え！？なんて！？聞こえないぞ！！」
「だから！顔が近いって…！」
「なんだそんなことか！細かい事は気にするな！私は七松小平太だ！お前は？名前なんて言うんだ？」
い、一体、何なんだこの人は…
「小平太〜もーだから突っ走るなって言ったでしょ〜！」
「おー伊作！良いじゃないか！丁度噂には聞いてたしどんなやつか気になっていた所だしなー！」
善法寺さんの知り合いだろうか？兎に角煩い…という印象だ
「も〜小平太、Aちゃん困ってるでしょ〜」
「よーし！A今から裏裏山までマラソンだー！！行くぞ！！」

「えっ、ちょっ…ちょっと…待っ……うわぁっ！？」
「いけいけどんどーん！！！」
七松さんは私を思いっきり引っ張り、正門を抜け出てしまった
「…大丈夫かな？」
「どうした伊作？」
「ああ、留三郎…小平太がAちゃんを裏裏山まで…」
「…伊作の不運があいつに移ったんじゃないのか？」
留三郎はワッハッハと笑い、用具倉庫へと向かって行こうとしていた所を僕が全力で引き止めた
「も〜留三郎〜！！笑い事じゃないよ！僕は心配で…っ！！」
「まったく、仕方ないな…俺が様子を見に行ってやるから伊作はそこで待ってろ」
「と、留三郎〜！！ありがとう〜！！！」