うしろのしょうめん (ページ30)

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episode29 ページ30

「盗賊を一人で倒した！？怪我はっ！？」
あの後私は医務室まで戻ってきたすると、善法寺さんがそれを聞き付けたのか慌てて私の方へ駆け寄ってきた
「…返り血を…浴びたぐらいです。」
今日来ていた着物が少し汚れてしまった…お気に入りだったのに…
「怪我が無いって…けど立川さん、武器なんて持ってたの？」
「しんベヱ君クナイを貸してくれました…貸してくれた時一瞬だけ、記憶を思い出しました」
「えっ…本当かい？」
善法寺さんは包帯を巻く手を止め、私の方を見た
「ただ、その時の事よく分かってなくて…ただ我武者羅に、無我夢中でクナイを振り回してました」
「そうか…って事はもう一度クナイを持ったらまた何か思い出すんじゃない？」

「…また我を失って暴れちゃうかも…」
「うーんそうだなぁ、僕はどっちかと言うと戦闘向きじゃないし…文次郎か小平太に稽古を付けてもらう？」
「えっ」
…という訳で私は今忍術学園の稽古場にいる訳なんだが…
「(潮江さんって言う人…あんまり好きじゃないんだよな…)」
善法寺さんによると、会計委員長で忍術学園一ギンギンに忍者してる人と聞いた…確か私との第一印象は最悪なはずだ
「ほう、あの時は消えたいだと言っていたのに今は俺に戦いを挑んでくるとは…いい度胸だ、手加減はしねぇぜ？」
「(やる気満々じゃないか…)」

七松さんはどうやら用事があるらしく、私は潮江さんと一体一で戦うことになってしまった
戦いなんて普通拒むものだろうと思っていたのに…食満さんと張り合ってるって聞いたけどそれもあるんだろうか
「どっちかが武器を使って身体に触れる事が出来たら勝負アリってことで！危険だと思ったら僕がすぐに止めに入るからね！準備はいい？」
「いつでも！」
「…大丈夫です」
私はクナイを懐からだし、構えのポーズをとった
そして、善法寺さんから勝負の開始の合図が言い渡された