気づいたらあんスタの世界にいた女子がアイドル校で奮闘するお話

八十八話 ページ45

「あ、颯風くん、アドニスくん、久しぶり〜」

食堂で二人の姿を見かけたので思わず声をかける。

「む、田中殿、久しぶりであるな！」

「田中も肉を食うか？」

「え、いいの？さっき昼飯食べたけど、ちょっと物足りなかったから………」

「ああ、もちろん。ほら、」

「おお、ありがとう！遠慮なく頂くね！」

そう言うが早いか、早速肉にかぶりつく。

見るからにジューシー。

「んーっ、うっっま………いや、美味しい！」

一口一口ゆっくり噛んで旨さを感じていると、颯風くんが聞いてきた。

「そういえば、田中殿は部活に入らないのであるか？」

「………ｺﾞｯｸﾝ、部活？今んとこ入る気は全くと言っていいほどないけど」

「入るか入らないかは個人の自由であるから、無理に入れとは言わぬが、我は海洋生物部に入っているのである！」

「海洋生物部？どんなことをするの？」

「海の生物を観察したり、いろいろであるな。我の最近のお気に入りは、亀である！」

「へぇ、そうなんだ。………ちなみに、アドニスくんは？」

「俺か？俺は陸上部だ。」

「あ、アドニスくんも陸上部なんだ。もしかしてなるちゃんも陸上部？」

「ああ、鳴上も陸上部に入っているな」

「やっぱり！この前なるちゃんにそう聞いたんだよな。他は………天満くんと、えーっと、三毛縞先輩だっけ？」

コクリとアドニスくんは頷く。

三毛縞先輩………そういえば夏樹に聞いたことあるっけ。ママ？


ところで昨日、帰ってから一瞬でEveのことを調べたんだけど…………

巴日和、先輩と漣ジュン、くん？

巴、先輩は三年で、漣、くんは二年だって。

玲明学園だっけ？

まあなんか巴先輩が聞き覚えのある声だとかなんとか思ったがとりあえず脳内から弾き飛ばした。

漣くん………君か、昨日私に名前を聞いたのは。

ってか、もしや巴先輩たちってあんずちゃんと関わったことある？

同じアイドルだし、もしかしたら有り得るかも。

もしあんずちゃんが転校生が来たとか言ってたら、漣くんが名前を聞いてきたのもギリ納得できるんだけど。

だって、顔も知らない赤の他人にいきなり名前聞くとか意味わからないじゃん。

八十九話→←八十七話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す