気づいたらあんスタの世界にいた女子がアイドル校で奮闘するお話

六十六話 ページ22

この前廊下でぶつかった人いたじゃん。

あの人ともう一回会ったんだよね。

またぶつかって。


ドンッ

「あ、すみませ…………え？」

「いや、こっちこ…………って、この前もぶつかった………」

「え、え、いや、私磁石でも身に付けてるのかな………」

「え、さすがにそれはないだりょ！！」

「え、あっと、ないだろ、ですよね」

「あ、ああ……ないだろ、だぞ……」

え、可愛い。

「……………俺の名前は仁兎なずな、お前は？」

「た、田中Aです」

「そっか、じゃあ」

軽く手を上げて仁兎先輩はその場を去った。

いや、めっちゃ可愛いんだが言ったらなんか………やめておこう。





ん？前から来るのは………

「あ、えっと、紫乃くん、だよね」

「はい！先輩は、田中先輩、でしたよね」

「うん。今からガーデンテラスでも行くの？」

「あ、いや、教室です。そういえば、またお茶会しようって、英智お兄ちゃ、会長さんが言ってましたよ」

「天祥院先輩が？そっか、ならまたあんずちゃんと一緒に行くね」

「はい！待ってます！」

いや、紫乃くんいい子。



「あ、北斗君」

二年の教室に戻るとちょうど廊下に北斗君がいた。

「ん？ああ、田中か。久しぶりだな」

「確かに、すごい久しぶりなような気が。そういえば北斗君って……いや、もう、呼び捨てでいい？」

「ああ、もちろん」

「じゃあ北斗ね。で、そういえば北斗って、誕生日いつ？」

「誕生日？俺の誕生日は12月17日だが。」

「へー、そうなんだ！」

「？知ってどうするんだ？」

「いや、せっかくだし祝いたいじゃん。まだ先だけど」

つーかその時までいるかもわかんないけど。

「そうか。…………楽しみだな」

「ひゃ、百点………！！！」

「？」

その笑顔、百点満点です。はい、さすがです。

六十七話→←六十五話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す