【刀剣乱舞】ふるべ ゆらゆらと

拾弎 ページ15

ダダダ！と大勢の足音がしたあと、数十人…30人ぐらいの役人さんが私、薬研、審神者さんの周りを囲んだ。


「審神者さん、諦めてください」

「嫌だ。一生刑務所暮らしは御免だよ。だいたい僕の代わりの審神者は誰がやるのさ」

「貴方は神を愚弄したのです。貴方の代わりなどいくらでもいる。神を愚弄した貴方が刑務所へ行くのは、当たり前でしょう」


そう言って近づいてきた一人の役人さんが審神者さんの、刀を握っている手に勢いよく____

ズジュァッ！


「大将！」


瞬間を見る前に薬研の手で目が塞がれた。

…審神者さんの苦しむ声が聞こえる。
血の、臭いがする……っ。


「うっ……お、えぇ……」

「あぁあああ！……ハァッ…ハァッ………殺してやる！！ここにいる奴全員殺してやる！…ッ……覚えてろ…殺してやるからなぁ！」

「連れて行け」


審神者さんは、大丈夫…なのかな…？

酷いことをした人だとはわかってるけど、やっぱり手を斬るってのは……。


「…もういいぜ、大将」

「…薬研、あの人は」

「連れてかれた。大方一生牢にいる事になるだろうな」

「…そう」


役人さんが私に頭を下げた。
斬った人じゃない。


「情報提供ありがとうございました！私はこの本丸の担当で……本当にお恥ずかしい」

「薬研、こっちに来なさい」

「一兄……」


薬研がチラッと私を見た。


「大丈夫だよ薬研。行ってきなよ」

「大将…でも……」


‘‘大丈夫。私この本丸の審神者になるから”

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