こっち向いて、月島くん。【短編集】

持久走大会 ページ7

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◎夢主◎
烏野高校一年 / 幼なじみ

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「はぁ…やだな……」




今日は持久走大会。


こんな真冬に走らせる意味あるの？


しかも、事情のない人は半袖半ズボンとか…。





「うわ、マイナスオーラ出しすぎ」


「うるさい…。蛍はいいよね、運動部だし」




こんな時まで突っかかってくる幼なじみの蛍。




「あれ、なんでジャージ着てんの？」


「試合が近くて風邪ひくと困るから、って言ったらあっさりOKされた」


「私も風邪って言おうかな…」


「女子の担当の先生は厳しいから多分無理だよ」




ちらっと蛍を見ると、口角を上げ、勝ち誇った顔をしていた。




「くっそ…体育会系のくせに…」

「Aだって元体育会系でしょ」

「それは中学の時。というか陸上と水中は感覚が全然違うから！」




私は 元 水泳部だったが、持久走だけは苦手で、だいたい最後の方にゴールしていた。




「蛍はどうせ、余裕ぶっかましてゆっくり走るんでしょ？」

「Aこそ、いつも最後の方に帰ってくるのは、余裕持ってゆっくり走ってるからでしょ？」

「はいはい黙って」




くそ、半袖半ズボンで自己ベスト更新してやるよ。

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