ぶりっ子、前世を思い出す ２ 【鬼滅の刃】

ぶりっ子 番外編 ４ ページ16

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それから、しのぶさんは一週間くらい部屋から出てこなかった。私たちが寝た時とかにご飯とかは食べてたみたいだけど。

……でも、あの真面目なしのぶさんが任務を休むくらいだから私よりも相当心の傷が深いんだと思う。

＿＿＿そして、やっと出てきたかと思えばその部屋から出てきたのは、私の知るしのぶさんじゃなかった。


｢おはようございます。……心配かけてすみません｣


心配をかけさせないようにか、ニコリと微笑む彼女に鳥肌が立った。

これで、蝶屋敷の全員が察した。
＿＿カナエ姉さんは、｢しのぶの笑った顔が好きだ｣とよく言っていた。

彼女は、その意味を履き違えている。


｢私ならもう大丈夫です。……任務にも、今日から復帰します｣

｢しのぶ様……｣


誰も、しのぶさんの口調については触れなかった。明らかにもう一人の姉と同じ口調。

涙をこらえるように唇を噛み締める蝶屋敷の人達。

この時点で、どれだけしのぶさんにとってアレが重い出来事だったのかが分かる。触れてはいけないと、誰もが理解した。


………………馬鹿みたい。カナエ姉さんが好きだったのはあんたの心からの笑顔だったのに。


｢……それと、A。後で私の部屋に来てください｣

『えっ、……』


急に名前を呼ばれ、ビクリと肩が震えた。……え、なんで？私？

返事をしなかった私を見て気分を悪くしたのか、｢A。聞いてますか？｣と冷たい眼差しをこちらに向けた。

返事を返すと、ぱっと後ろを向いて部屋を出ていってしまった。


ああ、





………………また、叱られるのか。

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