ぶりっ子、前世を思い出す【鬼滅の刃】

ぶりっ子 １２ ページ14

＊



『羽織、ありがとうございました』

｢よもや！胡蝶妹、熱でもあるのではないだろうか！！｣

『なんでそうなるんです？？？』



こっちの方が『よもや！何故そうなるのだろうか！！』って問い返したくなるよ？？

羽織返してくれないと思ってたの……？
ええ……

でもなあ、私さすがに人様のもの盗むくらいまで性格ねじ曲がってはいなかったはずなんだけどなぁ……。

まあ｢よもやよもや｣と言いながらも受け取ってくれたので良しとする。



｢それよりも胡蝶妹よ！
しっかりと鍛錬はしているのだろうか！！｣

『ギクッ…………仕方が､分からないんです』

｢むう！何故だ！胡蝶に聞けばいい！｣

『色々あって、ダメなんですー！！』



煉獄さんは私がしのぶさんと仲悪いの知らないの？鬼殺隊の中で結構有名な話だと思うけど？？？



｢先程の鬼も満足に倒せないようでは辛にすら上がることは出来ないぞ！！｣

『…………ですよね』



私の今の階級は壬(みずのえ)。
隊士になって結構たっているものの階級はほとんど上がってない。

さすがに人の手柄を奪う事はしてなかったみたいだけど……。階級も、もっと上げとけばよかったな。

……というか、今からできるんじゃね？



『あの、煉獄さん。
……稽古、つけてもらったり出来ますか？』

｢……む、それは、継子にしろということか！？｣

『いやいや、そういうだいそれたこと考えたわけじゃないです。すき間時間に、よろしければ稽古つけて貰えないかな、と』



……これでも結構、図々しいお願いだよね？

頭の中に前世の漫画で読んだ事がよぎる。

頭の中で無一郎くんが｢柱の時間と君たちの時間は違うんだよ？｣とか言ってるけど無視だ無視！

今はまだ無一郎くんは柱じゃないもんね！！



｢向上心のある者は好きだ！いいだろう！｣

『えっ！！……いいんですか？』

｢何故そこで戸惑う必要がある！｣

『いや〜、だって……』


お前私の事嫌いじゃないのか！！！？(血涙)

そう言おうとするが、この場の空気が気まずくなってしまう気がして口をつぐむ。

｢胡蝶妹のことは大嫌いだ！｣
とか、力いっぱい言われたら立ち直れる気がしない……(泣)

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