サイドエフェクトは副作用抹消体質

１２話 ページ14

「それじゃあ俺はこれで失礼しますね」


部屋を出て、開口一番にそう告げる。


「「「ちょっと待った」」」


呼び止められた。


「え、…なんですか」


まさか呼び止められるとは思っていず、少々驚く。まだなんかあんのか？


俺を呼び止めたのは迅さんと、俺の事を「面白い色」と言った人と、白い髪の子だった。


「む？迅さんもこいつに用があるのか？」


白い髪の子が不思議そうに迅さんを見やる。


どうやら自分以外で俺を呼び止めるやつが居たことに驚いているのだろう。まあ一番驚いているのは俺だが。


「いやーちょっと、な？」


迅さんは意味深にそういうとニヤニヤと笑う。


「俺はもうちょっと斎を見たい」


ぐっと目を凝らし、俺の顔をまじまじと覗き込む。


「こらこら天羽。斎くんがおびえてるぞー」


「やっぱり、面白い色」


「ふむふむ。困ったなこうも斎が人気とは」


「まあ大丈夫だろ。目的は一緒だし」


「ほう？なら話は早い。行くぞ斎」


「はい……？」


あまりにも自然すぎる流れに「断る」の二文字は消滅する。


「じゃあまたな空閑」


「うむ。またな鋼さん、カゲさん」


「僕も目的は果たしたし行くよ」


「菊地原先輩もか」


俺はよく分かっていないまま、三人に手を振りどこかに連れて行かれる。


「あの…どこへ？」


三人は顔を見合わせなんの合図もなしに声をそろえた。


「個人ランク戦」


どこだそこ。

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