妖魔界へ(44) ページ44
ウバウネ「あたくしはね…人だった若い頃に、人間に人生の時間を奪われたのだよーん、やってもいない罪をなすりつけられてね…、そのまま獄中でぽっくりだよーん」
ウィスパー「つまりは、要約すると(無実の罪で投獄された挙げ句に、冤罪を晴らす事すら叶わぬまま息絶えた)って事ですか。哀れですね…そりゃ他人の幸せな時間や繋がりなんて、壊したくもなりますね…」
ケータとケイゾウ、ジバニャンも哀しそうにウバウネを見ている。やはり可哀相だと胸に突き刺さるのだろう。確かに、意味も無くあの憎しみは有り得まい。
ゴゴゴ……!
黒い瘴気が溢れだす。慌ててバクロ婆が離れるや、
ウバウネ「あたくしは、人間に時間や楽しみをぜーんぶ奪われた、だからあたくしだって、人間から時間や幸せを奪うのだよーん!!」
一護「だから怪魔共を使って人間や妖怪達から心や優しさを奪ってやるってのか!馬鹿にすんじゃねぇ!幾ら自分が不幸せだからってな、他人の幸せまでぶち壊して良いなんて道理が通るかよっ!甘えんな!!」
しかし、最早ウバウネには聞こえては居ないだろう。恐ろしいまでの瘴気を纏い、呻り声を上げながら彼方此方の柱や壁に衝撃波をぶつけ始めた。
ドド…ガラガラ…ズズーンッ!!
ピシピシ…ガガガ…!
鉄柱が倒壊し、壁や床にも見る間に蜘蛛の巣状の深いヒビが広がって行く、このままでは此処も危ない。じきに建物自体も倒壊を始めるだろう。
ジバニャン「な、なんか彼奴ヤバいニャ!ここから離れた方が良いニャっ!」
ウィスパー「確かに…見て下さい周りを…!このまま此処でぐずぐずしていたら瓦礫の下敷きに為りかねませんよっ!とりあえずバルコニーの方へ!速くっ!!」
一護「仕方ねぇ!お前ら来い!」
皆は急いでバルコニーを目指した。
バルコニーに何とか辿り着き、皆で息をついていると…
ドド…グバアァァッ!!
ジバニャン「なっ…皆!あれ見るニャっ!馬鹿でかい怪魔だニャーっ!!」
ジバニャンが工場のある箇所を指し示して叫んだ。
見ると、何と工場の母屋の天井を突き破り、巨大な怪魔が咆哮を上げながら這い出てきた。
一護「な、何だあれ…!大虚の比じゃ無い!草加が王印の力で変化してた位は在るぞ!あんなのまで喚びやがったのかあの婆…!」
ケータ「くそっ!何てしつっこいんだ!」
最早敵も、なりふり構って居られないと判断したらしい。面倒な事になった。
現れた巨大な怪魔は、鎌首を擡げて牙を剥いた。
ガアアアーッ!!
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みこち(プロフ) - 饅頭さん» 勢いで書いてますが如何ですか?まだまだ書きます! (2021年6月19日 17時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 饅頭さん» 妖怪ウオッチ誕生の秘密だニャン!が一番好きですね。コアラニャンの奴も感動しました。生きたぬいぐるみが持ち主を愛して助けようとした。素晴らしいです。ブリーチは、姉弟が死ぬ場面は泣き崩れました。まさか、ルキアがあんな風に泣くなんて思わなかったので (2021年5月25日 20時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
饅頭 - 第2弾のエンマ大王と5つの物語です!みこちさんは、一番好きな妖怪ウォッチの映画は何ですか? (2021年5月25日 18時) (レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 饅頭さん» 因みに、一番お好きな妖怪ウオッチの映画は何ですか? (2021年5月25日 15時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 饅頭さん» 長らくお待たせして申し訳ありません。頑張って書きますね!他の作品も、出来ましたら是非お楽しみください。 (2021年5月20日 10時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこち x他1人 | 作成日時:2020年1月22日 21時