妖怪ウオッチ×ブリーチ異聞録続編

妖魔界へ(38) ページ38

使い方は至ってシンプルだ。先程述べたように片手で袋の口を掴んで振り回し、手首にスナップを効かせて力任せに相手目掛けて叩き付ければ良い、其れだけだ。慣れれば子供にだって扱える。

因みにこの武器は、大人が抱える大きさの西瓜なら一撃で粉々に出来る程の威力を持つ。

間違っても使おうとはしないで下さい

(特に人には)

シャレにならない事態を招きますので。

フユニャンはウィスパーをブラックジャックの代わりにし始めたのである。

ウィスパー「ぎゃあああーっ！！これじゃ手をじゃなくて躰を貸せの間違いじゃーっ！！仲間をぶん回さないで下さーいっ！！」

余程恐ろしいと見え、ウィスパーは身も世も無いと言う顔で馬鹿みたいに喚き散らしている。

だがフユニャンには聞こえていない。

バキッ！バシッ！ドカボスッ！！

ウィスパーをぶち当てられて怪魔達が次々に吹っ飛ばされていく…

ウバウネはと言えば、話し終わるまで待っててやったのに余りな対応だと怒り心頭だ。

一護「やっぱりギャグアニメなんだな妖怪ウォッチって…俺らなら戦いの間に笑いなんか絶対に入りゃしねぇしな…」

ケイゾウとケータはバルコニーにたどり着いた。ケイゾウは先程フユニャンから在る物を渡されていた。

ー巨大怪魔を倒した後ー

フユニャン「立ち上がれ。ヒーローにはやらなければならない事が在る。皆を護るんだ！」

ケイゾウは頷いた。

フユニャン「これを持って行け！」

小振りの巾着を渡してくる。

ケイゾウ「お前が今までに助けてきた妖怪達だ。必ず力になってくれる！」

元々フユニャンとケイゾウは河原でケイゾウが拾ったビー玉を覗いたことで初めて出会い、其れから共に歩み始めたのだ。ウバウネ達の罠によりケイゾウが殻に閉じ籠もるまでは…

ケイゾウは今までに沢山の妖怪達を助け、友達の証として出会った妖怪の名を記した牛乳瓶の蓋をこの袋に入れ、常に持ち歩いていたのだ。

フユニャン「後はお前次第だ！」

バルコニーの手摺りを掴み、ケイゾウは眼下に広がる森目掛けて力一杯叫んだ。

ケイゾウ「皆ーっ！聞いてくれーっ！俺は皆を、この町を護りたい！もう一度俺に力を貸してくれ！俺の友達になってくれーっ！！」

声の限り、魂の限り力一杯叫んだ。

すると…

ポウッ…

ピカッ…

町や森の彼方此方から、妖力の強い光が現れ、光の柱が放たれ始めたのだ。

待っていたぞ…

ようやく呼び掛けてくれたな…

勿論だ…

一緒に戦おう…！

全ての光がそう語っていた。

妖魔界へ(39)→←妖魔界へ(37)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す