妖怪ウオッチ×ブリーチ異聞録続編

妖魔界へ(37) ページ37

ケイゾウを嫌いになどなってはいないのだ。哀しくて素直になれなかったのだろう。あの時と同じ過ちはもうしたくない！

ケイゾウ「うおおぉぉぉーっ！！ガッツ！！」

声の限りに叫び、遂にケイゾウは一歩前へと脚を踏み出したのだ。

一護「そうだ。やれば出来るじゃねえか！」

ケータ「ケイゾウ…！」

ウィスパー「千里の道も一歩から…抜け出したようですね、自分の闇から」

その通りだ。壁や困難なんて物は越える為に在るのだ！

巨大怪魔の拳が打ち下ろされた。

ドガアアアッ！！

ケータ達は固唾を呑む。砂煙が晴れていく。

ビュッ！

ビシッ！！

妖力と霊力が合わさった力を纏った棍棒が巨大怪魔の額を直撃し、巨大怪魔は苦しげに呻きながら消滅していった。

其処には、フユニャンを庇い、ケイゾウが棍棒を投げた姿でフユニャンを抱えていた。フユニャンの右腕が青白く光っている。棍棒に霊力を流したのだろう。

フユニャン「やった…か…！」

くずおれるフユニャン。慌ててケータ達が駆け寄る。

ケータ「フユニャン！大丈夫っ！？」

一護「無茶しやがって、大丈夫か？」

フユニャン「心配要らん、少し擦っただけだ…！」

語尾が弱々しい。やはり消耗しているのだ。

ケイゾウ「御免な、俺がもっと早く踏み出せていたら…俺はヒーローに憧れてガッツ仮面になった気でいた、だが、やっぱり俺のは只のヒーローの真似事だったみたいだ。笑っちまうよな。こんな弱虫なのに…」

フユニャン「お前はヒーローじゃないか」

一護「自分で踏み出して此奴を護っただろう。ヒーローじゃなきゃ何なんだよ。本当に勇気の無ぇ奴はな、他人を助けに危険に自分から飛び込むなんて真似、しないもんだぜ」

フユニャン「今のお前になら出来る筈だ。もう一度呼び掛けてみろ。皆に！その間此処は食い止める！」

ケイゾウは頷いた。ケータとウィスパーも立ち上がる。近くの通路の入り口へと踵を返し、工場のバルコニーへと走り出した。が、

がしっ！

何故かフユニャンがウィスパーの尻尾を鷲掴みにして止める

ウィスパー「イダッ！？ち、ちょっと何するんですかっ！」

フユニャン「ちょっとだけ手を貸せ！貴様ら！此処から先へは誰も行かせん！」

言い放つや、

ブンブンブン…！！

ウィスパー「う”わわわわーっ！！目が回るーっ！？」

ブラックジャックと言う武器をご存知だろうか？靴下位の袋に砂や小石等を半分程詰めた物だ。振り回して遠心力の力で威力を上げ敵を殴打して攻撃する武器だ。

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