妖怪ウオッチ×ブリーチ異聞録続編

妖魔界へ(19) ページ19

一護「ウィスパー、お前確か飛べるはずだろ？何で空中に止まらないんだ。第一ケータ達は兎も角フユニャンまで何でウィスパーを座布団にしちまう必要が有るんだ…」

ケータ達は苦笑いしている。この時も、ウィスパーの背中に乗ったまま会話していたので、ブチ切れたウィスパーに

ウィスパー「聞こえねぇのかテメエらは！重いっつってんだろうが！！」

と怒鳴られたのだ

よく見ると、辺りは夜だった

気を取り直して辺りを観察する。なる程、確かに此処は60年前だ。河川も橋も造りは同じだが、まだ整備される前だ。

本当に昔に来たんだとケータが感心していると、

？「グワア……！」

奇妙な唸り声がした。

そちらを見やると、黒い靄に躰を覆われた男が、目を紅くギラつかせながら躙り寄ってくるのだ。明らかに普通の状態では無い。

フユニャン「隠れろ。幸い奴はまだ気付いてない」

ケータ達は橋脚の影に身を隠し、様子を伺う

ジバニャン「彼奴どうなってるニャン？まるでゾンビだニャ」

フユニャン「怪魔に取り憑かれているな」

ケータ「怪魔ってあの時居た奴等？結局怪魔ってどういう奴等なんだろ？」

ウィスパーは慌ててあれかこれかと妖怪パットを検索しているが、

ジバニャン「妖怪パットじゃ判らないんじゃなかったかニャ？」

ケータ「フユニャンに聞いてるんだけど」

「がーん(￣□￣;)!!」という顔で石像と化すウィスパー。

フユニャン「怪魔は只の妖怪とは違う。果てしなく性質が邪悪だ。怪魔に取り憑かれるとああなるんだ。自我を失い、負の感情と、闇の力を引き出されて只暴れるだけの人形になってしまう。最後には操られた人間同士で争い合い、村全体をバラバラにしてしまうんだ」

ケータ「そんな…っ！？」

その時不意に、背後から気配がした。

ジバニャン「ニャッ!」

振り向くと、先程とは別の取り憑かれた男と、男を挟むように両側にウツボのような姿の黒い影が居る。牙を剥きながら睨んでいる。恐らくは怪魔であろう

フユニャン「不味い！怪魔も居る！」

男「グアアア…！」

男がゾンビ宜しくケータ達に襲い掛かろうとしてきた。慌ててきびすを返し、河原を走り出した。

ケータは懸命に走る。途中の橋桁の梁を頭を下げて躱す。だが、何と背後から迫る怪魔は、梁を破壊しながら突進してくる。支えを失い、橋が崩落する。

その弾みで転んだケータに狙いを定め、怪魔の1体がケータに迫る。

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