【黒バス】〇〇系男子×〇〇系女子【短編集】

影薄系男子×幸薄系女子(お試し読み用です。) ページ2

『今日の1位は、__座の貴方！今日は良い事が沢山起こるでしょう、そして相性が良い星座は___』

｢嘘つき。｣

眠くなるような昼下がり、ぐっしょりと濡れきった髪を絞りながら呟く。
占い1位？良い事が沢山？…私には全く関係無かった。

…そう、なんたって私は幸薄少女なのだから。

……いや、全然格好付けて言う事じゃないんだけども。
…まあ何が起こったのか簡潔に言うと、裏庭の花壇の近くを歩いていたらホースの水被りました。はい。
これからどうしよう、このままだと授業出れないし、何より風邪引いてしまう。
だからといって替えの服もないし…うん、とりあえず中に入ろう、流石にここだと風で寒い…。
ささっと小走りで校舎内に向かおう…としたら、1人の男の人が私の目前に走ってきていた。
んん、影薄くて気付いてなかった…。

｢っあ、あの…こ、これ…っ｣

膝に手を付きながら喋る彼に、慌てて背中を擦りながら声を掛けた。

｢と、とりあえず息整えましょう、それからお話して下さい…ね？｣

｢う…す、すみま、せん…っ｣


暫く擦っていると、もう大丈夫なのか顔を上げた。
ぱちりと目が合う。すうっと綺麗な水色の目が細められた。

｢…すみません、格好悪い所をお見せして…。
その、貴方が濡れているのを見て、タオルと体操服を持って来たんですが…｣

うわ、優しい。普通話した事無い人の為に持ってきたりしないのだから、相当優しい人なんだろうな。
でも、この人の分なのに借りていいのかな…と悩んでいると、ふわりと頭に被さったタオル。

｢……え、と…あの…？｣

｢…あ、すみません。でも早く拭かないと風邪引いてしまいますよ？｣

｢…あ、ありがとう、ございます…。｣

掛けられたタオルは水分を吸って重くなっていて…もう有難く使わせて貰おう…。

ｷｰﾝｺｰﾝ…

｢げ、やば…あ、タオルありがとうございました、ちゃんと洗って返すので……わっ!?｣

お礼の途中に、ぼすっと何かの物体を身体に押し付けられる。

｢すみません、移動教室なので失礼します。
もし良ければ体操服も使って下さい、ジャージもあるので。｣

｢っそんな…流石に悪いですよ！知らない人に貸すなんて…｣







｢___好きな人が困っていて、助けない訳ないじゃないですか。｣




｢……え、｣

｢それじゃあ、また何処かで。｣

｢え、ちょ…ま、待って……！｣





眠くなるような昼下がり。幸薄少女、廃業します。

『__そして、相性が良い星座は 水瓶座の男の子 ___。』

サボり系男子×世話焼き系女子→←夢主設定(見なくても大丈夫です。)

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