拾われた女Ⅲ (ページ40)

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『…？』

零さんの登場により、私は胸の内に広がり始めていた違和感が強く疼いていくのを感じた。

零「…皆様、＂外ウマ＂という物をご存知でしょうか」

零さんが突然そんな事を切り出す。

外ウマ……いわばギャンブルに乗じたギャンブルのことだ。

ギャンブルのプレイヤーとはまた別の者が、勝利順位を予想して物を賭ける。

(…………もしかして)

その外ウマとやらが、まさかこのギャンブルに…？

しかもプレイヤーは_____________

楓「皇ッ…！！お前、まさかっ！！」

同じことを察したのか、豆生田さんが伊月の肩を掴む。

零「お察しの通り、公共財ゲームにおいても外ウマが行われていました。この事を知っているのは当事者と選挙管理委員のみ。

賭け主は…皇伊月様対、等々喰定楽乃様」

『…！！！』

零「賭けの対象は、豆生田楓さんの勝敗です。

豆生田様が銀貨40枚を達成するか否か…

定楽乃様は「達成」に、皇様は「失敗」に。それぞれ150票を賭けました。

豆生田様は40枚を達成されましたので、定楽乃様の勝利に。

したがって、皇様は定楽乃様に150票の支払いとなります」

定楽乃さんはギャンブルの裏でも伊月とギャンブルをしていた。それなら直接ギャンブルに参加しなかったのも納得がいく。

そうすれば、選挙戦に参加している者を排除する事だって可能だし、何より自分は少ないリスクで票を手に入れられる。

そうでしょう？

…定楽乃さん