*冷たい声 ページ42
男子生徒1「っ……てめぇ!!」
左手を押さえながら、Aを睨みつける男子生徒。
もう一人の方は、完全に怯んで腰を抜かしてる。
けど、そんなことどうでもいい。
A……今、刺したの……?
その人の、手……
A「音にぃに何もしないでって、私言った筈……けど……言うこと聞いてくれなかったよね……?」
男子生徒1「は?そいつがでしゃばって来たのがわりぃんだろ?そもそもてめぇがさっさと金出さねぇから……」
A「すぐに持ってくるって言った……今はないからって……なのに嘘つくなって、信じなかったのはどっち……?」
今まで聞いたことがないくらい、Aの声が冷たかった。
あんなことをしたのに、まったく動じてないどころか、まるで当たり前のことをしてるって言うように、表情一つ変えない。
おっさんが危険って言ってたのって……このこと……?
A「今のは、音にぃに掴みかかった分……他にも、殴ったよね……?蹴ったよね……?悪いことしたら……同じこと自分に返ってくるって……知ってる?」
そう思っている俺のことは気にもとめず、Aはまた冷たい声でそう続ける。
そして、赤くなったハサミを男子生徒に向けて、淡々とこう続けた。
A「音にぃに酷いことした右手と右足……出して?早く……」
音也「っ!!ダメだA!!」
何をしようとしてるのか、考えなくてもわかった。
今刺した左手の他に、右手と右足まで刺すつもりだ……!!
それは絶対にダメだ!!
そう思って、考えるより先に、俺はハサミを握るAの手を強く掴んだ。
音也「それだけはダメだA!!そんなことしたら、Aの方が悪者になっちゃう!!」
A「なんで……?悪いことしたら同じこと返されても……」
音也「その悪いことを、悪いことで拭っちゃダメだよ!!お願いだからA……!!俺の言うこと、聞いて……!!」
必死だった……
とにかく最悪の事態にはしたくなくて、頼み込むようにAの手を強く握る。
それが伝わったのか、首をかしげながらも、Aはハサミから手を離してくれた。
それを見て、男子生徒二人は、付き合ってられるかと、逃げていった……
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十九 雷音(プロフ) - 南さん» コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に嬉しいです!今後とも頑張らせていただきます! (2019年2月27日 8時) (レス) id: 4c772ef18e (このIDを非表示/違反報告)
南 - 音也の夢小説は今まで読んできた中でも一番に面白いなぁと思いました! これからも頑張って下さい! (2019年2月26日 23時) (レス) id: d0756aba1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2018年9月1日 18時