*何も分かってなかった ページ30
初めてだった。
こんな風に、Aが怒るのを見たのは……
ずっと、長い間一緒にいて、一度もなかったんだ……
あまりの衝撃に、何も言えないまま、ただ黙ってAの言葉を聞いているしかなかった。
だけど……
A「こんなものの為に……音にぃはここへ来たの……?」
音也「こんなものって……!!」
最後に言ったこの言葉だけは、いくらAでも、許せなかった。
音也「そんな言い方ないだろ!!ST☆RISHのこと、何も知らないくせに……大して興味もなかったくせに、勝手なこと言うなよ!!」
……言ってしまった後で、我に返った。
俺……今……
A「……そうだね。音楽もST☆RISHも、私は、大して興味なかったんだったね」
音也「A……今のは……」
A「失礼なことをしてしまったと思ったら、きちんと謝罪をするのが礼儀……なんだよね?」
トキヤ「……!!」
A「だから音にぃ……今のこと、ごめんなさい。もう何も言わないから」
ただ冷たくそう言って、Aはレッスンルームを出てしまった。
呼び止めようとしたけど、声が出なかった……
俺……Aに酷いことを……
セシル「オトヤ……大丈夫、ですか?」
音也「う、うん……俺は大丈夫……」
レン「とは言え、レディにあんな言い方させてしまうなんてね……」
那月「僕達、何もわかってなかったんですね……」
翔「もっともっと、がむしゃらに頑張らなきゃいけなかったんだな」
真斗「あぁ。ここに来て間もない雪柳でさえ気づいたことだ。一ノ瀬も、同じ気持ちだったのだろう?」
マサの言葉に、トキヤもどこか辛そうにうつ向いた。
本当に俺達、何もわかってなかったんだ。
自分達の状況も、本当の意味でのプロの世界も……
Aやトキヤが、どんな気持ちでいたのかも……
本当に……何一つ……
音也「っ……!!俺、A追いかけてくる!!」
いてもたってもいられず、俺は急いで、Aを追いかけた。
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十九 雷音(プロフ) - 南さん» コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に嬉しいです!今後とも頑張らせていただきます! (2019年2月27日 8時) (レス) id: 4c772ef18e (このIDを非表示/違反報告)
南 - 音也の夢小説は今まで読んできた中でも一番に面白いなぁと思いました! これからも頑張って下さい! (2019年2月26日 23時) (レス) id: d0756aba1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2018年9月1日 18時