*聞けない指摘 ー夢主sideー ページ22
春歌「七海 春歌です。昨日は、ちゃんと挨拶できなくてすみません……」
翌朝、デュエットプロジェクトの打ち合わせについて行かなきゃいけなくなった私は、メールで連絡された場所に来た。
そこにはもう、担当の作曲家の人と……昨日会ったST☆RISHのメンバーの人がいた。
一ノ瀬 トキヤ……だったっけ?
作曲家の人とは、昨日音にぃを呼びに来た時に顔を見たけど……挨拶、まだだったな。そう言えば。
A「別に……私は雪柳 A」
春歌「雪柳さん、ですね。よろしくお願いします!!」
子供みたいに目を輝かせて、元気に頭を下げる作曲家の人……
私も一応、軽く頭を下げる。
そして一応……
A「……あなたも、しばらくよろしく」
この人にも頭を下げる。
すると、どこか呆れたように、深いため息をつかれた。
トキヤ「もう少し言葉遣いをわきまえるべきでは?」
言葉遣い……?
そんなに失礼なこと、言ってないと思うけど。
A「ちゃんと言った。“よろしく”って」
トキヤ「そうではなく、先輩に対して、最低限の敬語は使うべきだと言っているんです。オフなら多少目を瞑りますが、今は仕事中です。外部の方にまで、そのように接するつもりですか?」
A「先輩……敬語……」
プロとして……いや、人として当たり前のことを言われてるんだろうってことは、なんとなくわかる。
けど……なんだろ……
素直に言うこと聞く気になれない……
そう思って、私はふいっと目を逸らしてしまった。
トキヤ「はあ……聞きたくないのなら、どうぞ好きにしてください」
そう言うと、“時間もありません、行きますよ”と言って、スタスタと歩き出してしまった。
春歌「き、気にしないでください。一ノ瀬さん言い方は厳しいですけど、悪気があって言ってるわけじゃないですから」
A「……そう」
言われてることは間違ってない。
言うことを聞けない私が悪いだけ。
頭ではわかってる。
でもなんでだろ……
理由はわからないけど、言うこと聞けない……
音にぃのときは、こんなことしないのにな……
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十九 雷音(プロフ) - 南さん» コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に嬉しいです!今後とも頑張らせていただきます! (2019年2月27日 8時) (レス) id: 4c772ef18e (このIDを非表示/違反報告)
南 - 音也の夢小説は今まで読んできた中でも一番に面白いなぁと思いました! これからも頑張って下さい! (2019年2月26日 23時) (レス) id: d0756aba1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2018年9月1日 18時