*“許す”か“許さないか” ページ45
Aがいう“どちら”なのか。
ちゃんと“A”自身を見ていたのか、Aを見ているふりをして、本当の妹である“鳳 瑛蓮”を見ていたのか……
仮に後者だとすれば、結果的には……
瑛一「……正直、お前と瑛蓮を重ねて見ていたところはある……」
音が聞こえてきそうなほど強く拳を握りながら、瑛一はそう答えた。
Aはそれを、ただ何も言わずに見つめている。
瑛一「頭ではわかっていた……瑛蓮はもういない……姿は似ていても、まったく違う存在だと……だけど……」
A「“心”では割り切れていなかった、と?」
瑛一「……すまない……本当に、すまなかった……」
まるで懺悔をするように、絞り出すような声でそういうエイイチ。
その隣でエイジも、何度も“ごめん……”と繰り返している。
A「謝罪が欲しかったわけじゃありません。それに、謝罪されたところで、今のワタシには許すことはできないです」
酷く残酷な言葉だった。
でも、仮にボクが同じ立場だったとしても、簡単に許すなんて言えないかもしれない。
二人にその意思がなくても、結果的に自分の存在を否定されたも同然だから。
A「でも……悪意がなかったことも、わかりました。だから……少し、時間をください」
その言葉に、二人はようやく顔を上げた。
そしてAは真っ直ぐに二人を見て、こう続けた。
A「今のワタシには、“感情”というものが足りなすぎます。この件を“許したい”のか“許したくない”のか、わかりません……だから、もう少し“感情”を学んでから、判断します。ですが、現時点でこれだけは言っておきます。ワタシは美桜 Aです。鳳 瑛蓮とは違う存在だということを理解して、認識してください。これが無理なのだとすれば、一生アナタ方を“許しません”」
たたみかけるように、Aはそう言った。
なんともAらしい答えだ。
なんだか少し、安心したかもしれない。
瑛一「あぁ、わかっている。本当に、今まですまなかった……A……」
瑛二「俺からも、本当にごめん……」
A「謝罪はいらないと言った筈ですが」
一瞬どうなることかと思ったけど、もう心配ない。
ちょっと兄妹ケンカしただけで、もうすっかりいつものAだ。
でも……Aにとっては、ここからなのかもしれない。
自分自身に……
自分自身の“心”に、決着をつけないといけないんだから……
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美紀 - 美風藍ちゃんの小説最高です藍ちゃん大好きです (2019年1月31日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - 逆巻椿さん» コメントありがとうございます!初のサーヴァンプキャラいただきました!!←集計終わり次第検討させていただきます!! (2017年4月13日 2時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
逆巻椿(プロフ) - SERVAMPとうたプリのコラボで藍ちゃんか真昼落ちがいいです!更新頑張ってください!! (2017年4月13日 0時) (レス) id: 11d835f287 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - 桜乃さん» コメントありがとうございます!!藍ちゃんか翔ちゃんですね!検討させていただきます!そして今後も拙いながらも頑張らせていただきます!! (2017年4月9日 21時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
桜乃 - うたプリ単体がいいです!落ちは、藍ちゃんか、翔くんで!!えと、更新ん頑張ってください!!!!! (2017年4月9日 19時) (レス) id: 9ed75b4815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2017年1月1日 21時