【うた☆プリ】愛してるを教えて？【美風藍】

＊不躾な方ですね −夢主side− ページ5

目が覚めて、最初に目に入って来たのは、見知らぬ部屋と、綺麗な顔立ちをした少年の姿。
シャイニング事務所所属のアイドル、ミカゼ アイ。
詳しいプロフィールが一切不明のミステリアスアイドル……って、データにありましたね。


藍「キミ、名前は？」


挨拶もないまま、質問に入るミカゼ アイ。
見かけによらず、随分不躾な方ですね。


A「……A」


そう思いつつ、名前くらいなら拒否する理由もないため、簡潔に答える。
名字は、秘密保持のため、控えさせていただきます。


藍「博士から、キミはロボットだってことは聞いてる。ボクもキミと同じソングロボだ」


ソングロボ……ワタシと同じ……
成る程、だから詳しいプロフィールは公開されていなかったんですね。


藍「でも、キミとは違う製造者から作られてる。その上で聞きたいんだけど……」

A「製造者、及び製造元の情報についての質問には答えかねます」


“製造者”
その言葉が出た時点で、知りたい情報は見当がつきます。
ワタシを作った製造者の詳細、及び、作られた目的やその他諸々の情報。

その情報を知っていいのは、ワタシの製造に関わったメンバーと“マスター”、及び例外として数名のみ。
別にばれたからと言って、ワタシ個人としてはどうということはありませんが、万が一のことを考えると、マスターの許可なく“外部”に情報を漏らすわけにはいきません。


藍「秘密保持のために徹底してるのはよくわかったけど、キミは一度捨てられてる。博士が修復したってことは、多分これからはここで生活していくことになる。身元もわからないまま引き取ってもらおうなんて、ちょっと甘え過ぎじゃない？」


あれだけはっきり断ったにも関わらず、まだ掘り下げてくる。
そこまではまだよかったのですが……

“キミは一度捨てられてる”

これだけは聞き捨てなりません。


A「引き取ってくれなんて、頼んでいません」


半ば反射的に、ワタシはそう返していた。
それに応戦するようにミカゼ アイも言葉を返そうとしてきましたが、隣にいたおじさんに阻止された。

その後も何か言いたげでしたが、隣のおじさんに止められて、満足に会話ができない。


これ以上は無意味ってこと、ですか……




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