【うた☆プリ】True or False【黒崎蘭丸】

＊“半端” ページ7

早乙女「ってなわけでMs.雛罌粟。YOU、シャイニング事務所でアイドルなっちゃいなYO！！」

A「嫌だ」


シャイニングさんの言葉に、私は間髪入れずそう返した。
それも、笑顔を崩さないままで。


早乙女「むむむ……？YOUは、音楽が大好きな筈デース。才能も充分すぎるほどありマース。このまま宝の持ち腐れにしているのは勿体ナーイッ！！」

A「確かに私は、音楽が大好きだよ？でも、出来ることなら、もう歌は歌いたくない。それに、才能なら蘭丸のほうが何千倍もあるし、私なんかよりもっと才能ある人、いるでしょ？」

早乙女「確かに、世の中には少数ではあれど輝かしい才能の持ち主はいマース。BUT、YOUもその輝かしい才能の持ち主の一人デース。一人見つけるだけでもベリーベリーハードな存在、今ここで、みすみす逃がすと思いマースカー？」


逃がすって言い方……
理屈はなんとなくわかるんだけど、私自身自分に才能があるなんて思えないから、どうにも納得ができない。
それにやっぱり……歌いたくない……

もう……人が離れていくのは嫌だ……


蘭丸「ったく……音楽が好きなくせに歌うのは嫌だとか……相変わらずんな中途半端なことしてんのかよ」


私とシャイニングさんの会話を聞いて、蘭丸は不機嫌そうにため息をついて、そう呟いた。
そして、睨むように私を見て、こう言った。


蘭丸「どうしても歌いたくねぇってんなら、無理にやれなんて言わねぇ。けどな、んな中途半端に音楽好きでいるくらいなら、いっそやめちまえ。今のお前、全然ロックじゃねぇ」


ロックじゃない……
蘭丸がこう言うときはつまり、“半端だ”ってこと……

半端……
確かに、音楽が好きなくせに歌うのは嫌だとか、矛盾してるとは思うけど……


早乙女「むむむむむ……でーはこうしましょう！！Ms.雛罌粟は今日からMr.黒崎のパートナーになり、アーイドル修行しちゃいはYOU！！」

A「はい？」
蘭丸「あ？」


思わず蘭丸と私は同時に声を出してしまった。
アイドル、修行……？
というか、アイドルになるって話、断った筈だよね……？

つまり……始めから私に拒否権はない、と……？




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