*小さなわがまま ページ38
そんなわけで、一直線に寮へと戻って来たものの、肝心のレコーディングルームの予約が一杯とかで使えないという事件が起きた。
一気にテンションがた落ちの私を見て、蘭丸は軽くおでこを小突いた後、無言で手を引いて歩き出した。
そうしてついた先が……
A「レッスン室?」
“Lesson Room”と筆記体で書かれた看板がぶら下がる部屋。
ダンスとかの練習場なのか、中はかなり広くなっていて、鏡や手すりのようなもの、ピアノまである。
豪華な設備だな……
A「セッションは無理だから、ダンスレッスンでもするの?」
蘭丸「馬鹿、んなわけねぇだろ」
私の言葉に蘭丸はそう返すと、ピアノのほうに近づき、1つだけ音を鳴らす。
蘭丸「弾けるか?」
A「弾けるかって、ピアノ?」
蘭丸「以外ねぇだろ」
A「うーん……弾けることは弾けるけど……」
元々音楽は好きだし、ピアノは結構何処にでもあるから、かじった程度になら弾いたことあるけど……
でも……
A「蘭丸、ベース弾くんでしょ?」
蘭丸「たりめぇだろ」
A「なら私、ドラムがいい」
蘭丸「……あ?」
最初にバンドが解散になって、人前で歌うことをやめてから、一番力をいれて練習していた楽器。
今では、私が一番得意とする楽器。
それがドラム。
言わずもがなベースとの相性は抜群だし、上達して、いつか蘭丸と一緒にセッションしたかったから……
蘭丸「ドラムがいいって、レッスン室にんなもんねぇよ。どっかから持ってくるにしても、あんなでけぇもん簡単に持ってこれるわけねぇだろ」
A「でも、久しぶりに蘭丸とセッションできるんだよ?それに、ドラムでセッションしたことなかったし……」
蘭丸「つっても、ねぇもんは仕方ねぇだろ」
蘭丸の言う通り、ないものは仕方ない。
わかってはいるけど、なんか……嫌だ……
そんな風にむすくれていると、蘭丸はめんどくさそうにため息をついて、私の頭にポンッと手を置いた。
蘭丸「明日、ライブハウスでミニライブがある。その後少し時間が空くから、そん時にドラムとベースでセッションしてやるよ」
A「いいの?そんなことして」
蘭丸「一応関係者には話通しとく。それなら客も帰った後なんだし、誰も文句は言えねぇだろ」
A「ありがとう蘭丸!!」
蘭丸のその言葉が嬉しくて、思わず蘭丸に抱きついてしまった。
蘭丸も驚いてはいたけど、“手間かかる奴だな”とだけ言って、そっと頭を撫でてくれた。
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まな - 私はうたプリでは主にカルナイ(特にカミュと蘭ちゃん)と翔ちゃんとなっちゃんとトキヤと音也と...でもなっちゃんは本当によく出ますww←なんか最近トキヤと翔ちゃんと藍ちゃん上がってます← (2015年8月18日 22時) (レス) id: ceaa2bc4f1 (このIDを非表示/違反報告)
まな - RUIさん» シュウさんですか?!私も1つ買った時にまさかのレイジ様出てきてビックリしましたよwwクリーム色みたいでシュウさん可愛いですよね〜私のシュウさん運は衰えを知らないみたいです(⌒-⌒; )今度オタマートでシュウさん出すのでお知らせしますよ! (2015年8月18日 14時) (レス) id: ceaa2bc4f1 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» いえいえ大丈夫ですよ!!私もあまり最近更新できていなくて申し訳ないです(>_<) (2015年8月18日 13時) (レス) id: abb4063eb2 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» すいません!4時~半はちょっと用事が出来てしまったので、五時半ぐらいに顔出します!本当に、すいません。 (2015年8月18日 13時) (レス) id: 53c9c73951 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» 最近忙しくて来れませんでした。今も、ちょっと顔出しただけなので、また4時~半ぐらいに来れるので、またその時にお話しましょう! (2015年8月18日 12時) (レス) id: 53c9c73951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2015年6月13日 1時