【うた☆プリ】True or False【黒崎蘭丸】

＊家族の思い出 ページ34

そうして、一人寂しく蘭丸を待つことになったのはいいけど……

……退屈。
果てしなく退屈。
退屈すぎて死んじゃうかも。

……まあ、それはちょっとオーバーだけど。

とにかく、一人でただただ待ちぼうけというのが、想像以上に退屈で、気が滅入りそうだった。

特別やることもないし、この辺ぶらつこうかなとも思ったけど、蘭丸に何処にも行くなって言われたし……

いっそのこと寝ちゃう？
……いや、座ったまま寝られるほど私は器用じゃない。
横になるにしても、成人した女性がこんなところで堂々と寝てるなんて……みっともない。
下手すれば変質者。

はあ……どうしよう……
蘭丸早く帰ってこないかなあ……
撮影なんて早く終わらせてさあ……


A「そう言えば……」


撮影という単語で、ふとモニターに出ていたトークのテーマを思い出した。

“家族との思い出”

家族……か……

蘭丸は、家族の思い出って、どんなのがあるんだろう……
詳しいことは知らないけど、借金があるって言ってたから、相当大変だったのかな……？
それとも、意外と充実してた……？

昔から一緒にいるのに、蘭丸の家族のこととか、過去とか、何も知らないんだよね、私。
まあ、一度家族の話題が出たときに、私が取り乱して以来、その話題は禁句だってなっちゃったんだけど……

でも、蘭丸は強いから、借金抱えるほど辛かったとしても、きっと、辛いなんて思わなかったんだろうな……
両親といる時間は……きっと、楽しいものだったんだろうな……

いや……普通は皆そうか……

私の家族が、例外だっただけで……






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