【うた☆プリ】True or False【黒崎蘭丸】

＊お互いに否定 ページ23

結局、打ち合わせは脱線したり戻ってきたりを繰り返し、そのままスケジュールの関係上お開きになってしまった。
次回の打ち合わせまでに、軽くでいいから曲のイメージをまとめておいてほしい。
それだけ言われて。

急遽曲を作るのが私に決まったことや、その作り手になる私にまったくプランがないこともあって、まともに話し合いらしい話し合いもできなかった。

急に決まったことだから、仕方ないと言えば仕方ないんだけど……
でも……


A「作曲、か……」


一度だけ“Amulet”を作ったことはあったけど、あれは蘭丸がフォローしてくれてようやくできたもの。
私一人で作ったわけじゃない。

今回は本当にライブで使われるものだから、フォローしてもらってってわけにもいかないだろうし……

そもそもプロ用の曲なんて、どうやって作ってるの？

考えれば考えるほど、よくわからなくなってきて、しまいにはため息まで漏れてしまった。


蘭丸「また余計なことで悩んでんだろ。ため息ばっかりつきやがって」

A「そりゃ悩むよ。ほとんど作曲の経験ないのに、いきなりプロの曲を作れだなんて……」

蘭丸「確かに経験はねぇだろうけど、ちゃんと実力は持ってんだろ。現にAmuletだって、すげぇいい曲になっただろうが」

A「あれは、蘭丸がフォローしてくれたからできただけで……」

蘭丸「フォローつっても、ベース弾いてただけだろうが」


私が否定する度に、蘭丸もそれを否定する。
お互いに否定の繰り返しで、終わりが見えない。
蘭丸もこのままじゃ埒が明かないと思ったのか、盛大なため息をつくと、突然私の手を掴んで、歩き出した。


A「ちょっと、蘭丸、何……」

蘭丸「いいから黙ってついてこい。お前がどんだけすげぇのか、見せてやる」


蘭丸の言葉の意味が、いまいちよくわからない。
だけど、どれだけ聞いても、蘭丸は何も教えてはくれなかった。
仕方なく私は、何も言わず黙って蘭丸についていった。




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